(VOVWORLD) -25日、安倍首相は政府専用機で羽田空港を出発し、中国公式訪問を開始しました。日本の首相が中国を公式訪問するのは7年ぶりのことです。今回の訪問は、経済をはじめ両国間の協力に新しいチャンスをもたらすと同時に、領海紛争問題などの解決に貢献すると期待されています。
日本と中国は大国同士ですが、歴史、領海などに関する問題により、緊張関係が続いています。近年、安倍首相と習近平国家主席は数回にわたり、国際会議の場を利用して会合を行いましたが、2011年からこれまで、安倍首相は中国訪問をしておらず、そして、2010年から習国家主席は日本訪問を行っていません。
(写真:Kyodo News) |
良いタイミング
そのため、今回の安倍首相の中国訪問は世論の注目を集めています。この訪問は両国が領海紛争問題を一時的に棚上げすることを示すものとみられています。
また、今年、両国は1978年10月23日の平和友好条約締結40周年を記念しますが、これは両国関係の新しい土台作りにとって良いタイミングと評されています。さらに、中国とアメリカとの関係が悪化している中、中国は日本を含め各国との関係を多様化・安定させていますが、これも日中関係の改善にとって有利な要素となっています。
安倍首相は26日、習近平国家主席や、李克強首相とそれぞれ会談する予定です。安倍氏は出発前、首相官邸で記者団に対し、「両国関係を新たな段階へと押し上げていきたい。習氏、李氏と胸襟を開いて両国関係だけでなく、世界の様々な課題について話し合いたい」と述べました。
訪問からの利益
安倍首相は一連の首脳会談で、朝鮮民主主義人民共和国の非核化と日本人拉致問題の解決について連携を確認するとともに、自由で公正な貿易体制の強化や、東シナ海を平和・友好・協力の海にしていくことについて意見交換するとの意向も示しました。
経済関係に関して、国際標準に合致し、第三国の利益となる企業間協力の推進や、技術革新に向けた支援や知的財産分野での協力の在り方などを議論する新たな対話の立ち上げを確認したい考えです。特に、この機に、両国の閣僚らや、企業経営者など合わせて1000人が参加するビジネスフォーラムが行われ、投資協力について討議する予定です。
安倍首相の中国訪問に関し、中国外務省の華春瑩報道官は24日の記者会見で、「双方がお互いをライバルではなく、パートナーとみなし、両国関係を発展させるとともに、各分野でウィンウィンの協力を深めていくことを望む」と述べて、関係をさらに強化していく考えを示しました。
アジア地域において、日中関係は非常に重要な役割を果たしています。そのため、国際世論は両国が未解決問題を棚上げし、新しい発展段階に向かうことを希望しています。