日本の解散総選挙をめぐる問題

(VOVWORLD) - 日本衆議院は28日午後の本会議で解散されました。その後の臨時閣議で、日本政府は「10月10日公示―22日投開票」の衆院選挙の日程を正式決定しました。これは安倍晋三首相による「1強」体制の政権運営の是非が大きな争点とみられます。

 安倍晋三首相は25日、今週召集される臨時国会冒頭での衆議院の解散・総選挙を表明しました。安倍首相は、朝鮮民主主義人民共和国からの脅威が高まるなかで、「国難突破」のため国民の政権負託をあらためて問うと語りました。

利点活用のための措置

アナリストらによりますと、安倍首相への支持率が今年夏に記録的な低水準を付けた後に回復傾向に戻る一方で、野党勢力がもっぱら混乱状態にある中、解散総選挙を行うことは安倍首相の賢明な措置と見られています。

日本の解散総選挙をめぐる問題 - ảnh 1 25日に行われた記者会見に臨んだ安倍首相(写真:AFP)

安倍首相に対しては、個人的な交友関係のために便宜を図ったのではないかとの疑惑をめぐり、批判が集まっていましたが、朝鮮民主主義人民共和国が核・ミサイル実験を活発化させ緊張が高まるなか、支持率が大幅に上昇しました。具体的には、その支持率は今年7月に30%を切りましたが、9月には50%以上に回復しました。

一方、主な野党勢力の民進党では、今年7月に代表の辞任表明という騒動が起き、現在の支持率は10%以下と低迷しています。総選挙後も安倍首相が政権を維持すれば、同首相の任期は戦後最も長くなる可能性があります。

山積する課題

しかし、今後も、日本政府は多くの試練に直面していきます。先ずは、少子高齢化問題です。統計によりますと、65歳以上の人々の割合は日本の総人口のおよそ28%を占めています。従って、労働力不足問題も浮上しています。日本政府は安定した成長の確保や、デフレ対策として、この問題を解決しなければならないとも指摘しています。

次は公的債務問題です。現時点まで、日本の公的債務は1000兆円を超えています。これは、少子高齢化が進む中、日本の社会安全保障用の費用が高まっていることを示すものです。専門家らは、「これは経済危機につながる可能性がある」との警鐘を鳴らしています。

第3は低い経済成長率という問題です。この1年半、日本はプラス成長率を維持していますが、アジア地域諸国よりも低いのです。WEF=世界経済フォーラムが9月27日に発表した2017年版の「世界競争力報告」によりますと、インドネシアや、ベトナムなど他のアジア諸国が順位を上げた一方、日本の総合順位は前年より1つ下がり、9位となっています。

日本の順位が低下するのは2年連続です。日本はインフラや保健に関する項目で評価が高い一方、巨額の公的債務が重荷となる構図に変わりはないということです。こうした中、解散総選挙の実施は安倍首相が出してきた目標の実現に役立ちますが、今後の安倍政権の道のりは容易ではないと評されています。

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