(VOVWORLD) - 今回の核実験により、朝鮮の核問題がさらに深刻になっているにもかかわらず、朝鮮半島の緊張は関係各国の努力により緩和されると期待されています。
朝鮮民主主義人民共和国は3日、水素爆弾の実験を行い、「完全に成功」したと発表しました。朝鮮による核実験は6回目ですが、アメリカのトランプ大統領就任後としては初めてです。今回の核実験は朝鮮半島の緊張をさらにエスカレートさせており、軍事衝突になる恐れがあります。
朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射(写真:AP) |
危険な水爆実験
日本の小野寺五典防衛相は、朝鮮が3日に強行した核実験の爆発規模について、160キロトンと推定していることを記者団に明らかにし、「広島に落とされた原爆の10倍ということになる」と述べました。その上で「かなりの高い出力を持つ核爆弾が開発されていることは日本のみならず国際社会の大きな脅威になる」と語りました。
朝鮮民主主義人民共和国の国営メディアは、「ICBM=大陸間弾道ミサイルに搭載する水爆の実験」と称する6回目の核実験を祝う大規模な大会を開き、アメリカのトランプ政権に対し「現実を直視して敵視政策を転換する決断を下すべきだ」と要求しました。
関係国の対応
朝鮮の核実験を受け、ロシア・ウラジオストクを訪問中の安倍晋三首相は7日午前、韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と会談し、国連安全保障理事会での制裁強化決議の採択を含め、最大限の圧力をかける方針で一致しました。安倍首相は「北朝鮮による相次ぐ挑発行動はこれまでにない深刻かつ重大な脅威だ」と強調するのに対し、文氏は「両国間の緊密な連携がより切実になった」と応じました。
そして、軍事挑発を繰り返す朝鮮に対抗するため、在韓米軍と韓国政府は7日午前、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の発射台6基のうち搬入が延期されていた4基を慶尚北道星州(キョンサンブクドソンジュ)郡の配備予定地に運び込みました。近く臨時配備が完了し、本格運用が始まる見通しです。
一方、中国軍が5日夜、渤海湾付近で低空飛行ミサイルを撃墜する訓練を行いました。中国国防省は、「年度計画に基づいて行う定例の演習であり、部隊の任務遂行能力の向上を目的としたものだ。特定の国や目標を対象にしたものではない」と明らかにしましたが、この訓練は朝鮮への強固な態度を示していると見られています。
しかし、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「朝鮮が核実験を行って以降、朝鮮半島の緊張が大幅に高まっているが、朝鮮半島で戦争が起きることはない」との認識を示しました。そして、アメリカのトランプ大統領は、「アメリカはこれ以上北朝鮮の行動を容認しない」と述べる一方で、軍事力の行使は「第1の選択肢」ではないと強調しました。そのため、今回の核実験により、朝鮮の核問題がさらに深刻になっているにもかかわらず、朝鮮半島の緊張は関係各国の努力により緩和されると期待されています。