朝鮮民主儀人民共和国による核実験と長距離弾道ミサイルの発射に対する一連の制裁を受けたことにより、朝鮮半島の情勢は引き続き緊張が続いています。
朝鮮民主儀人民共和国に対する韓国の制裁
韓国政府は8日、朝鮮民主主義人民共和国の核実験と長距離弾道ミサイル発射を受けた独自制裁を発表しました。国連安保理や日本、アメリカなどと足並みをそろえたもので、過去180日間に朝鮮民主主義人民共和国に寄港した第三国船舶の入港禁止などです。これに伴い、ロシア極東・沿海地方のハサンから朝鮮民主主義人民共和国北東部・羅津港(ラジンこう)を経由して韓国南東部・浦項(ポハン)に石炭を輸送する南北ロの協力事業を中止するとしています。また、ミサイル開発に関与している朝鮮労働党の幹部など個人40人と、武器取引に関わる貿易会社など30の団体について、韓国との金融取引を禁止し、韓国国内にある資産を凍結するとしています。
消極的な反応
アメリカと韓国軍は7日、過去最大規模の米韓合同軍事演習を開始しました。これを前に朝鮮民主主義人民共和国外務省は報道官談話を発表し、「敵に対する軍事的対応は、すべて先制攻撃できるように転換する。アメリカが核で威嚇する状況の中で、我々が先制打撃で対応するのは、当然の自衛権の行使だ」として先制攻撃も辞さない構えを示して威嚇しました。そのほか、今月4日にはキム・ジョンウン第1書記が核ミサイルの実戦配備に言及するなど、米韓両国を威嚇していて、関係国はさらなる挑発行為への警戒を強めています。
朝鮮を6カ国協議に戻させる要素は何か?
実際、世論は、朝鮮民主主義人民共和国に対する国連安保理の制裁の効果性に疑いを持っています。 10年前の朝鮮による初の核実験以降、安保理は4つの決議を採択し、制裁を強めてきましたが、朝鮮半島での緊張情勢を緩和させず、同国に核開発と弾道ミサイルの発射の中止を説得できませんでした。
国連安全保障理事会の対朝鮮民主主義人民共和国制裁決議を受け、中国政府が朝鮮民主主義人民共和国船舶との交易を全面的に禁じるなど、厳しい措置に出る方針であることが8日、複数の中朝関係者の話で分かりました。銀行での人民元取引を停止したとされるほか、全輸出品の開封検査にも踏み切る見通しです。中国の王毅外相は8日、全国人民代表大会に合わせて北京で記者会見し、朝鮮半島情勢に関して「一触即発で火薬のにおいが充満している」と語り、緊張のエスカレートに危機感を示しました。その上、朝鮮半島の核問題をめぐる6カ国協議関係国が提案している5カ国や4カ国による協議の開催について「核問題が交渉のテーブルに戻るのに有益ならば、われわれは開放的な態度だ」と述べ、朝鮮を除いた協議を念頭に前向きな姿勢を示しました。
中国が朝鮮に対する制裁決議に調印したことは、朝鮮半島の核問題の解決に前向きな兆しであると期待されています。