(VOVWORLD) - 朝鮮民主主義人民共和国の弾道ミサイル発射実験の直後、4日、アメリカ軍と韓国軍の共同軍事訓練が過去最大規模で始まりました。
訓練には、B1型爆 撃機も投入される予定です。国際社会の努力にもかかわらず、関係各国の最近の動きにより、朝鮮半島での緊張情勢がエスカレートしています。
「ビジラント・エース」と呼ばれる共同訓練は8日まで行われます。これまで、朝鮮民主主義人民共和国側は、米韓共同訓練を「侵略行為」と見なしてきましたが、米韓両国は、「防衛を目指す定例の訓練」に過ぎないと主張してきました。
北側の発射実験(写真:YONHAP/VNA) |
異常要素
これまで、朝鮮半島情勢に関しては、「ミサイル発射・共同軍事演習開催・相互警告・威嚇」というシナリオが頻繁に繰り返されてきましたが、アナリストらによりますと、今回はリスクが高まっています。中でも、共同訓練の規模と内容は世論の注目を集めています。
韓国に駐留するアメリカ軍によりますと、今回の訓練には、アメリカ軍の最新鋭のステルス戦闘機、F35やF22合わせて24機をはじめ、米韓両軍の航空機230機余り、および、1万2000人の兵士が参加して過去最大規模で行われ、このあと、B1爆撃機も投入される予定だということです。
訓練では、領空侵犯をした敵の航空機を迎撃したり、弾道ミサイルの移動式発射台など地上の標的を攻撃したりするほか、海上から上陸する敵の特殊部隊を阻止する演習も行われ、核・ミサイル開発を進める朝鮮民主主義人民共和国への圧力を強める狙いがあると見られます。
米韓両軍は、訓練に反発する朝鮮民主主義人民共和国が再び弾道ミサイルの発射などに踏み切る可能性もあるとして、警戒と監視も強化しています。
共同訓練の参加者(写真:EPA/VNA) |
危ないゲーム
朝鮮半島情勢の緊張が増している中、ロシアと中国は、ピョンヤンに対し核開発計画を廃止するよう、そして、ワシントンとソウルに対し共同軍事訓練を停止するよう呼びかけていますが、関係各側は拒絶しながら、強固な姿勢を示しています。今回の米韓共同訓練はその証です。これに対し朝鮮側は猛反発しています。
米韓両軍による合同軍事演習が4日から始まるのを前に、朝鮮外務省は声明を発表し、そのなかで、「トランプ大統領とその政権が核戦争を求めている」と述べています。また、声明は、「トランプ大統領が朝鮮半島で極めて危険な核のギャンブルを行っている」と指摘しています。
一方、アメリカのマクマスター大統領補佐官は、「北朝鮮との武力衝突の可能性は日増しに増大している」と危機感をあらわにしています。
米韓の年次共同軍事演習は常に朝鮮半島情勢の緊張を招くものと見られています。現時点でも、大規模な軍事衝突、または、核戦争は関係各側の選択肢と優先的手段ではなく、事態打開のためには、各側の自制が必要とされています。同時に、国際社会も地域と世界の平和、安定のためにさらに努力していく必要があると考えられています。