今年８月１０日はベトナムの枯葉剤被害者の日61周年記念日となっています。ベトナム戦争時の１９６１年∼１９７１年の１０年間に、アメリカ軍がベトナム南部の戦場に散布した枯葉剤・ダイオキシンは、数十万人もの死者を出したほか、数百万人を難病に苦しめました。現在、枯葉剤を浴びたベトナム人の数は約400万人にのぼり、そのうち約300万人が枯葉剤被害者です。また、その被害は、第2、第3世代にとどまらず、第4世代にまでもおよんでいます。これらの被害者の一部は、先天的欠損症をもって生まれました。

これまでに、国家とコミュニティは、枯葉剤後遺症の克服や、枯葉剤被害者のケアなどに常に関心を持ち続けてきました。

一貫した政策

1975年に国家が統一されて以来、ベトナムの党と国家は、兵士の枯葉剤・ダイオキシン被害者とその子どものケアを指導してきました。兵士の枯葉剤被害者への優遇政策と法律の完備はその証です。これまでに、関係機関は、大勢の枯葉剤被害者を含むおよそ300万人に障がい者証明書を交付しました。また、枯葉剤の被害を受けた兵士およそ32万人と彼らの子どもは革命功労者に与えられる優遇政策の対象者となっています。毎年、ベトナム国家は枯葉剤被害者の補助や健康ケア、リハビリのために、国家予算に約10兆ドンを計上しています。そのお陰で、枯葉剤被害者は、毎月補助金や、リハビリ、職業教育などが受けられ、医療保険カードを支給されています。

写真提供：TTXVN

グエン・スアン・フック国家主席は、昨年2021年7月に戦没者の遺族補助協会、およびベトナム枯れ葉剤被害者協会の代表との会合で次のように語っています。

（テープ）   

「枯れ葉剤被害者の優遇政策はとても重要なものです。抗戦に貢献した人への待遇を良くすれば、祖国防衛のための基盤も強くなるからです。党、国家、国民は常に傷病軍人、戦没者の遺族、枯葉剤被害者に関心を払っています。そこで、国家と各レベル部門の指導者はこれらを重要な任務として見なす必要があります」

社会全体の支持

枯れ葉剤被害者を支援するための活動は広く行われ、社会全体、国内外の組織と個人の支持を得てきました。

平和村で育成されている枯葉剤被害者の子どもたち （写真提供：baodansinh.vn）

各レベルの枯葉剤被害者協会は、毎年、国内外の組織や支援者に数千億ドンの寄付を呼びかけ、枯れ葉剤被害者に対し、家の建設・改修、消毒サウナ、リハビリ、治療、職業訓練、奨学金の支給、車いすの贈呈を目指しています。

全国では、12の平和村、友好村、および多くの施設が枯葉剤の被害による奇形児の世話、育成、治療を行っています。26カ所の社会福祉施設は枯れ葉剤被害者向けの消毒サウナ、リハビリ、職業訓練、育成などを実施しています。ハノイとホーチミン市の遺伝カウンセリングセンターは、先天性欠損症の割合を減らすために積極的に活動しています。幾つかの地方は、枯葉剤被害者に心理的サポートを行っています。

ベトナムの党と国家は、枯葉剤・ダイオキン被害者の介護・支援活動を長期的かつ重要で差し迫った問題として位置付けています。各レベルの行政当局が具体的な支援措置を講じることは、枯れ葉剤被害者の利益確保に貢献することです。