ベトナムは新型コロナの第４波に直面しています。第４波は今までの感染を超えており、生産経営活動と国民の生活に大きな影響を与えています。こうした事態を前に、先ごろ、ベトナム共産党政治局は、新型コロナが複雑に推移している背景の中で展開される経済社会発展任務に関する指示を出しました。

6月11日の政治局の会議

新型コロナとの闘いに全力

指示の中で、党政治局は、今まで新型コロナとの闘いにおいて大きな成果を収めてきたものの、今回の第４波は以前より複雑に推移しているので、政治システムと社会全体は「疫病と敵のように闘う」という精神を発揮し、新型コロナとの闘いに全力を尽くさなければならないと求めました。また、絶対に怠ることなく、最悪のシナリオを作成して疫病に対し主体的に対応するよう要請しました。特に、感染が広がっている各地では、断固とした措置を講じ、早い段階で感染拡大に歯止めをつける必要があるとしています。

また、ワクチンの調達と接種を進めるために、党政治局は必要な法的基盤を完備するとともに社会全体のリソースを活用する必要があると求めます。ワクチンの調達は、基準や条件を満たす組織と個人にワクチンの輸入を許可することを検討するとしています。ワクチン接種は新型コロナとの闘いに先頭に立っている人を優先的に行うとともに、全国民への接種を展開し、集団免疫を目指させなければなりません。そして、国内産のワクチンの研究・開発・生産をさらに加速させる必要があります。さらに、ワクチンの調達・分配における国際協力を拡大してゆくとしています。

生産経営活動を継続

新型コロナが生産経営活動に大打撃を与えている背景の中で、党政治局は関連各省庁に対し、企業が生産経営活動を停止せざるを得なくならないように、政策転換や補助パッケージなどにより企業にできるだけ便宜を図るよう求めました。特に、最も深刻な影響を受けている観光業を支援するために、電子健康パスポートを持つ外国人観光客にフーコック島など感染を抑制しやすい観光地への渡航を許可することを検討します。また、感染が広がっている地方の農産物を消費するための措置を講じる必要があるとしています。

政治システムと社会全体の団結と努力により、ベトナムは今回の第４波を乗り越えてゆくことでしょう。