(VOVWORLD) -来る9月11日から13日にかけてハノイでASEAN世界経済フォーラム2018が開催される予定です。これは、ASEAN地域の世界経済フォーラムにとって大規模でかつ重要な会議であると同時にベトナムにとっても今年の大規模な対外活動の一つとなります。
会議の記者会見の様子 |
「ASEAN4.0:企業と第四次産業革命の精神」をテーマにする今回のイベントは、ASEAN加盟諸国が第四次産業革命のチャンスを評価すると共に、試練を克服する機会であるとされています。
創造性でかつ画期的な技術を持つ第四次産業革命は、ASEANと加盟諸国に深い影響を及ぼしています。
発展の為にチャンスを掴む
ASEANに対する第四次産業革命のチャンスについて、ベトナム外務省のブイ・タン・ソン次官は次のように強調しています。
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「ASEANは世界で6番目の経済圏であり、2億6千万人が常にインターネットに接続している総人口6億3千万人を擁しています。また、ASEANは、新型経営モデルの刷新と急速な発展に向けた有利な基盤と大きな市場に恵まれています。その一方で、デジタルグローバル、及びモノのインターネットは、スタートアップを図ると同時に、中小企業のグローバル・バリューチェーンへの広範な参入にも大きなチャンスを与えるということです。」
第四次産業革命 は、ASEAN加盟諸国に様々な試練をもたらします。多くの労働者を雇っている部門は自動化や、生産・経営モデルの変更、経済構造などのマイナスな影響を受ける恐れがあります。国際労働機関によりますと、オートメーションの影響で、東南アジア5カ国の給与所得者の56%に相当する1億3700万人が、今後20年間に職を失うリスクが高いということです。ASEAN5カ国はマレーシア、インドネシア、フィリピン、タイ、及びベトナムです。これについて在ベトナムインドネシア大使館のイブヌ・ハ・ディ大使は次のように語っています。
(テープ)
「インドネシアだけでなく、ASEAN全体にとって最初の試練は、第四次産業革命の時代への安定的な移行をする必要があると思います。各国の政府、政策策定者は、その移行課程を順調に進めるためには、正しい方向を定めなければなりません。次の試練は、教育に関わる問題です。というのは、新時代の変化に対応できる優れた人材を抱える必要があるからです。第四次産業革命はASEAN地域にとってまだ新しいモデル的存在です。欧州やアメリカ、日本などは、大きな前進を遂げました。ですから、我々は、時代遅れにならないように、この格差を縮めることも重要です。」
新たな方向と方策を模索
第四次産業革命に対応するために、ASEAN加盟諸国の政府と企業は、「自力」を活用しながら、新たな方向と方策の模索に尽力しています。多くの国は、このチャンスを掴むように、具体的な戦略をとっています。例えば、シンガポールは、「スマート国家」、または、タイは「タイランド 4.0」があります。ベトナムも、経済成長の質的向上を基にして、持続可能な成長を目指すと共に、第四次産業革命のチャンスを活用して、生産性と競争力を高めるように努力しています。在ベトナムシンガポール大使館のタン・ウエイ・ウイン大使は次のように語っています。
(テープ)
「シンガポールが2018年のASEAN議長国として、今年のASEANのテーマを『自力と創造的なASEANづくり 』と選びました。これは、新たな条件への対応というASEANの努力を示す証の一つです。ASEANは、新たな条件に対応できると思います。我々は、チャンスを掴むと同時に、試練を超える力を整える必要があります。」
第四次産業革命がASEANにチャンスと試練をもたらす背景の中で、来る9月に開催されるASEAN世界経済フォーラム2018は、各国が経験や認識などを分かち合うチャンスであると期待されています。