(VOVWORLD) - アメリカのトランプ政権が、トルコに対してさらに圧力を強めることは必至です。
15日、トルコの裁判所は、テロ組織支援などの罪に問われて自宅軟禁となっているアメリカ人のキリスト教福音派牧師アンドルー・ブランソン氏の釈放と渡航禁止解除の請求を却下しました。今回の決定を受け、ブランソン氏の釈放を強く求めるアメリカのトランプ政権が、トルコに対してさらに圧力を強めることは必至です。
緊張エスカレート
また、同日、トルコ政府は、乗用車やアルコール類などの米国産品に追加関税を課すと発表しました。これは鉄鋼やアルミニウムの関税の税率を倍に上げ、トルコの通貨リラ急落の一因となったアメリカのトランプ政権に対する報復措置です。
トルコ政府が発表した追加関税は乗用車が120%、アルコール類が140%、たばこが60%。化粧品やコメ、石炭なども対象となっています。
トルコのオクタイ副大統領は「トルコ経済に意図的な攻撃をするアメリカへのお返しだ」として、今月10日にアメリカがトルコの鉄鋼製品などの関税を倍増させたことに対する報復措置だと明言しています。またトルコのエルドアン大統領は14日、アメリカの電化製品をボイコットする考えを示しました。
一方、アメリカのホワイトハウス当局者は14日、トルコで軟禁下にあるアメリカ人のブランソン牧師について、1週間以内に何らかの対応を取らなければ、「アメリカはさらなる行動に出る」と述べ、牧師解放までトルコに圧力をかけ続ける考えを示しました。
トルコ アメリカ離れの姿勢
アメリカとの緊張がエスカレートしている中で、トルコはアメリカ離れの姿勢を示しています。トルコとロシアは戦略的パートナシップをさらに促進させることで一致しました。これに先立ち、トルコは、西側諸国の対ロシア制裁実施を拒否しました。
また、ロシア・トルコ・イラン3カ国による同盟が形成されていると見られています。ロシアのラブロフ外相は14日、トルコの首都アンカラで、同国のチャブシュオウル外相と共同記者会見し、「ロシアは、イランやトルコとの通商関係において、互いの国の通貨を使用しようとしている。なぜなら、多くの国がもはや米ドル決済による取引を行わない可能性があるからだ」と語りました。
しかし、トルコはアメリカとの関係改善を進めなければ、経済危機を回避することができないと見られています。