(VOVWORLD) - アメリカと中国との貿易摩擦に関し、アナリストらは、「ワシントンと北京が間もなく貿易問題に関する合意を達成する見通しである」と予測していますが、これは根拠のあるものといえます。最近の双方の言動はその証です。
アメリカのポンペオ国務長官は4日、アイオワ州のラジオやテレビ局の一連のインタビューで、「米中両国は貿易戦争収束に向けた合意を間近に控えている」との見解を示しました。
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一方、中国の全国人民代表大会(国会)の張業遂報道官は同日、記者会見し、「通商協議で中国とアメリカが得たこれまでの重要な進展は両国や世界中で歓迎されている」と述べました。
不一致を解消
最近行われた交渉で、米中両国は最終合意達成の重要性を確認しました。先月中旬に行われた通商協議に関し、中国国営の新華社は、「両国が協議で複数の主要分野で原則的合意に達した」と報じましたと同時に、「通商と経済を巡る問題に関する覚書について踏み込んだ協議を行った」としました。
一方、トランプ大統領は、「中国との貿易交渉が進展している」とし、農産品に対する全ての関税をすぐに撤廃するよう中国に要請し、「通商協議がうまく進んでいることから、中国に対して全ての牛肉と豚肉を含む農産品への関税を撤廃するよう求めた」とツイッターに投稿しました。
また、「2000億ドル相当の中国製品に対する制裁関税の引き上げを延期する」と明らかにした。これとは別に、中国の習近平国家主席は、アメリカ通商代表部のライトハイザー代表や、ムニューシン財務長官と会談しました。ライトハイザー代表は習国家首席に、「2日間にわたる協議が極めて良好だった」と伝え、「困難かつ重要な懸案で前進したと感じている。さらに取り組まなくてはならない課題はあるが、楽観視している」と語りました。
こうした中、「アメリカと中国との間で約1年にわたって続いている貿易摩擦の解消に向けた話し合いが月内にも開催されるとみられるトランプ大統領と習近平国家主席との首脳会談で決着をみる可能性がある」との情報が出されています。
今後の展望
米中貿易戦争は2018年半ばから勃発し、双方は、およそ3600億ドル相当の製品を対象に報復関税を実施してきました。エコノミストらは、「米中貿易戦争が長引くと、世界経済とグローバル化プロセスは多くの被害を受けるほか、多くの国がその戦争に巻き込まれることにも繋がる」と指摘しています。
こうした中、世論は、この問題が一日も早く解決されることを望んでおり、月内にも開催されるとみられるトランプ大統領と習近平国家主席との首脳会談に期待をかけています。3月3日付のウォールストリート・ジャーナルによりますと、交渉は最終段階に入っています。トランプ政権が中国製品に対する幅広い関税を撤廃すれば、中国はアメリカ製品に対する関税を引き下げるなどします。
米中両国とも、両首脳が3月27日前後に会談を行い、公式に合意することが可能なだけの進展が得られたと考えているということです。現段階まで、米中首脳会談が行われるかどうか、そして、行われた場合、成果を収めるかどうかは不透明ですが、それも積極的な兆しと評されています。