4日、アフリカ50カ国の首脳をアメリカの首都ワシントンに招く初のアメリカ・アフリカ首脳会議が開幕しました。3日間の日程で行われる今回の首脳会議では、エボラ出血熱対策やナイジェリアで200人以上の女子生徒を拉致したとされる問題、南スーダン、ソマリア及びケニアでの内戦などアフリカにおける差し迫った問題、そして、アメリカとアフリカとの経済協力の促進などが討議されていす。
会議の様子(写真:VOA)
会議の前に、アメリカのオバマ大統領は「アフリカは経済が世界で最も急速に発展している地域であり、中流層が増加しつつあり、アメリカにとって重要になっている。アフリカとの連携強化はアメリカの利益である」と強調しました。
主要目標となる経済協力強化
会議で演説したケリー国務長官は「かつてのない今回の首脳会議はパートナー関係の強化に向けたアメリカとアフリカの決意を反映し、平和・安全保障及び経済協 力強化に繫がるチャンスを模索することが狙う」と強調しました。
実際、アメリカとアフリカ間の貿易が減少する一方で、アフリカ大陸の一次産品を中国が買いあさり、影響力を強めている中での動きだということです。 サブサハラ・アフリカ地域からの輸入額は中国が2012年、アメリカを上回りました。IMF=国際通貨基金によりますと、2013年には中国はサブサハラ地域から 880億ドル輸入しました。
これに対し、昨年のアメリカの輸入額は、国内産油量の増加もあって、345億ドルにとどまり、ピーク年だった2008年782億ドルを大幅に下回りました。輸出は近年、若干増加しています。これに先立って、オバマ政権はアメリカ議会に対し、来年失効するAGOA=アフリカ成長機会法の改定に向け直ちに行動を起こすよう促しました。
中国がアフリカとの関係を強化し、EU欧州連合がアフリカとの自由貿易協定で交渉している中で、AGOAはアメリカとアフリカとの経済関係強化戦略の一環であるのです。
試練山積
アナリストらは「今回の首脳会議は1年 間だけの準備期間で、期待通りの成果を達成できにくい」との懸念を示しました。アメリカが会議開催を提案しましたが、アメリカ政府各機関の中でも激しい 議論が起こってしました。
首脳会議後の最終文書、または行動計画が発表されないと予想されています。アメリカの幾人かの高官は「今回の首脳会議がどのよう に開催されるかどうかを見極めたい」と明らかにしました。さらに、これまでにアフリカはオバマ政権の外交政策の中に優先的な位置を占めていないと指摘しています。
アメリカとアフリカとの関係が幾つかの困難に直面しているものの、第1回アメリカ・アフリカ首脳会議は双方の協力関係の強化にとってチャンスとなることでしょう。