英総選挙 EU離脱に影響も

(VOVWORLD) - イギリス各地で8日午前7時、4万カ所以上の投票所が開かれ、議会下院の総選挙の投票が始まりました。結果次第ではEU欧州連合への離脱を進めるメイ政権が厳しい立場に置かれる可能性もあります。

EUからの完全離脱を掲げるメイ首相の方針に国民の審判が下される選挙と見られています。最大野党労働党が最終盤で猛追し、メイ氏率いる与党保守党との支持率は急接近しています。ロンドン中心部でのテロなどで揺れるイギリスの針路を決める選挙結果は予断を許さない情勢となっています。

英総選挙 EU離脱に影響も - ảnh 1メイ首相 

与野党の論争

選挙戦でメイ首相は、EUとの交渉で「最善の合意を得られる強く安定したリーダーシップ」を旗印に押し切る構えでしたが、5月中旬に発表したマニフェスト(政権公約)にあった高齢者介護政策が不評で支持率を下げました。一方、労働党は急進左派コービン党首の支持が予想外の広がりを見せています。

EU離脱について、メイ首相は、「第一に、欧州との間で最善の条件をわが国にもたらす強力かつ安定的な指導力があると信頼できるのは誰なのかという問いだ」と話しました。首相は労働党のコービン党首に対し、浪費的な政策により国内経済が破壊され、EU離脱交渉は混乱すると批判してきました。これに対しコービン党首は、保守党の緊縮財政策は貧困層に悪影響を与え、社会的不平等を悪化させると反論しています。

選挙結果 判断しにくい

当初、メイ首相率いる与党・保守党の獲得議席数が最大の焦点です。保守党は当初、優勢が伝えられていましたが、社会保障改革に対する富裕層の反発で失速しました。また、選挙期間中にテロが相次ぎ、最大野党・労働党は保守党への攻撃材料にしています。

最近、イギリスで起きているテロ攻撃により、有権者の争点はメイ首相の最強カードであるEU離脱から内政と治安問題に移り、野党・労働党のコービン党首に追い風となっています。

最新の各種世論調査は、保守党の支持率のリードが1ポイントから10ポイント以上まで相当なばらつきがあります。獲得議席についても、保守党が解散前の330議席から20議席以上伸ばすという予測がある一方、326議席の過半数を割り込むとの見方もあり、勝敗の行方は不透明感が強いです。

今回の選挙で、どの政党が勝って政権をとっても、EU離脱やテロ対策などの難しい課題に直面するのは必至です。

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