血にぬれた銃撃戦 米の銃社会の変化を


アメリカのフロリダ州で発生した同国史上最悪の銃乱射事件を受け、アメリカ国内で銃規制を求める声が高まっています。容疑者が合法的に購入したアサルトライフルで大量殺人を犯した今回の悲劇は、今までの銃規制が抜本的な対策ではないことを示しています。

血にぬれた銃撃戦 米の銃社会の変化を - ảnh 1

オマル・マティーン容疑者(29)は12日未明、フロリダ州オーランドの同性愛者向けナイトクラブ「パルス」で銃を乱射しました。これにより、49人が死亡、53人が負傷しています。容疑者は警察との銃撃戦で死亡しました。

銃規制は充実ではない

今回の悲劇は初めてではありません。2012年12月にコネチカット州のサンディフック小学校で男が銃を乱射し、小学校の児童20人を含む26人が死亡した事件や、2015年12月にカリフォルニア州のサンバナーディーノで男女2人が銃を乱射し、14人の死亡者と17人の負傷者が出たテロ事件など、アメリカで乱射事件が多発しています。

統計によりますと、アメリカ国内における銃による死亡者は、年平均3万2千人に上っています。2011年の小型銃器に関する調査によりますと、国内では約2億7000万丁の銃が所持されており、住民100人当たり89丁という計算になっています。

「自由」への対価

アメリカのメディアは、アメリカ社会に銃が広がる理由の一つとして、厳しい銃規制がないことを上げています。アメリカでは銃はウォルマートなどのスーパーでも購入可能で、知人や家族から譲り受けることもできます。

オバマ大統領を始め、銃規制を求める人々は、このような現状が銃による無差別大量殺人を助長していると考えています。2013年にオバマ大統領は他の議員とともに、すべての銃売買における身辺調査の実施など、より厳しい規制を提案しましたが、下院で否決されています。これを受け、オバマ大統領は「銃のロビー団体は今、議会を人質に取っているが、アメリカを人質に取ることはできない。自由への対価として、この虐殺を受け入れることはできない」と批判しました。

銃所持は米国の自由だという考えがまだアメリカ人に決着していることから、銃社会から脱皮することは難しく、フロリダ州の事件のような悲劇は今後もなくなりそうにありません。しかし、アメリカ史上最悪の今回の銃乱射事件は、より厳しい規制の重要性を明らかにしており、アメリカ人の考えの変化を促すことでしょう。


ご感想

他の情報