(VOVWORLD) - 今回の南北首脳会談は、朝鮮半島に平和チャンスをもたらすと見られ、見逃すことはできないと期待されています。
朝鮮民主主義人民共和国の金正恩朝鮮労働党委員長と韓国の文在寅大統領は27日午前9時半に、(MDL)軍事境界線付近で対面します。この南北首脳会談は、朝鮮半島に平和チャンスをもたらすと見られ、見逃すことはできないと期待されています。
金正恩氏と文在寅氏が会うのはこれが初めてであり、1953年に朝鮮戦争が休戦となって以降、南北首脳による会談が行われるのは今回でたったの3度目ですが、南北首脳会談が行われるのは11年ぶりのことです。
ピョンチャン冬季五輪で共同パレードを行った南北の選手団(写真:AFP) |
何が期待できるのか
11年ぶりとなる南北首脳会談で何らかの合意がまとまるのではないかとの期待が高まっており、その内容は平和宣言や核軍縮についての声明、軍事境界線付近からの部隊撤退計画などの形態があり得ます。ただ、韓国は、非核化に関する問題を今回の首脳会談で完全解決するのは不可能であり、朝鮮の非核化の意思が合意に盛り込まれれば首脳会談は成功だと考えています。
韓国の文大統領と朝鮮の金朝鮮労働党委員長は27日の首脳会談に際し、平和と繁栄を祈願し、南北分断の象徴である軍事境界線上に松の木を植える記念植樹を行います。これは南北の和解を象徴するものです。
疑惑もある
しかし、27日の南北首脳会談は、朝鮮の指導者、金正恩氏とアメリカのトランプ大統領の米朝首脳会談を方向づけることになるものにすぎないとの見方があります。
ゆっくりではありながらも、忍耐強く交渉を続ける中で、全ての当事国が不可避になりつつあると恐れていた戦争を回避する取り決めを米朝韓は描きつつあります。しかし、こうした努力が成功するか、金氏が本当に核を放棄するかは依然として不透明です。
南北首脳会談に疑惑を持っている人はまだ多いですが、エスカレートする状況を一端止めただけでも外交的な勝利と言えるでしょう。朝鮮がミサイル実験やサイバー攻撃を行い、平昌冬季五輪を利用して緊張を高めるかもしれないという憶測が広がったのは、ついこの1月のことでした。ですから、今回の南北首脳会談には単なる象徴以上の意味があるといえるでしょう。