(VOVWORLD) -長年、ホーチミン市で事業を行っている多くの輸出業者にとって、ロシアとウクライナは伝統的な輸出先国です。
しかし、ウクライナで武力衝突が発生し、多くの国がロシアへの経済制裁措置をとったため、これらの輸出業者は輸出先の多様化を精力的に進めています。
農産物の輸出業者であるフック・シン・グループは、これまで毎年、ロシアに輸出総額3千万ドル相当のコーヒーや胡椒、カシューナッツを輸出していました。今年始めから2か月間に、同グループのロシアへの輸出額は500万ドルに達し、昨年同期と比べ倍増しました。しかし、ウクライナで武力衝突が発生し、ロシアの多くの銀行が国際決済から排除されたため、ロシアへの輸出が途絶えるようになりました。そのため、同グループは他の輸出市場へのシフトを余儀なくされています。フック・シン・グループのファン・ミン・トン取締役会長は次のように語りました。
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「現在フック・シン・グループは、世界のおよそ100か国と地域へ輸出しており、その中でロシアがおよそ8%を占めています。ロシアへの輸出が途絶えたことで、他の輸出先国の顧客に対し、フック・シン・グループとの取引を増やすようお願いしています」
経済専門家によりますと、世界経済の動きが複雑になり、多くの原材料の価格が高騰していることから、中小企業を始め、ベトナム国内の企業はサプラインチェーンで緊密に連携する必要があるとしています。同時に、各企業は、製品の価値と品質の向上、および生産コストの削減を目指し、生産過程への科学技術の導入を強化しなければなりません。
一方、ロシアとウクライナとの武力衝突は、穀物の供給元が不安定になるため、ベトナムの農産物の輸出業者にとって、欧州に進出するチャンスとなります。各企業はこの機に、農産物輸出市場の拡大に取り組む必要があります。
ロシアに対する制裁措置が長引く懸念があるため、ホーチミン市の輸出業者は輸出市場の多様化に手を尽くしています。