(写真:doanhnhancuoituan.com.vn)
2015年、ベトナムの通貨政策はマクロ経済の指導政策の実施や国の経済発展に大きく寄与してきたと言えます。2015年に行われた通貨政策は市場の変動に見合った主体的、かつ、臨機応変という政府の指導を基礎に実施され、ベトナム通貨ドンの価値の確保に寄与してきました。
臨機応変に実施された通貨政策
2015年の通貨政策において際立ったのは外貨との為替レートを臨機応変に調整するという国家銀行の決定です。2015年、アメリカの中央銀行であるFed=連邦準備制度が金利を引き上げたことや中国人民銀行(中央銀行)による人民元の3日連続の切り下げなど、為替レートに大きな変化が発生した年と言えます。
人民元が切り下げられた一日後、ベトナムはベトナムドンと米ドルとの為替レートを調整しました。そして、1週間後、ベトナムは銀行間の米ドルとベトナムドンとの為替レートを1%調整しました。その結果、為替レートと外貨市場が安定してきました。
これと同時に、金市場の安定も確保されてきました。これは国家銀行が実施してきた金市場の管理政策が奏を効していることを示しています。また、不良債務の処理対策も効果的に実施しており、不良債務の割合が2.75%に維持されています。
2015年12月21日現在、ブロードマネーは前年同期と比べて13.55%増となり、各銀行の金利が0.2%から0.5%引き下げられました。また、信用成長率は18%増となることが見込まれています。南部カントー市選出のフィン・バン・テエップ( Huynh Van Tiep) 国会議員は次のように語りました。
(テープ)
「国家銀行は金市場の安定化、金利の引き下げに成功を収めました。また、為替レートが安定され、外貨準備高が向上され、生産経営活動に有利な条件を作り出しています。
マクロ経済の安定化に大きく貢献
通貨政策の実施に収めた成果はマクロ経済の安定、インフレの抑制、経済成長の加速に寄与してきました。また、臨機応変な通貨政策はマクロ経済の安定化、経済成長モデルの転換、投資活動の効果向上などに便宜を図っています。銀行・金融専門家であるグェン・チ・ヒェウ( Nguyen Tri Hieu) 博士は次のように語りました。
(テープ)
「今年、国家銀行が収めた最も大きな成果として挙げられるのはインフレ率を低い水準で抑えたということです。これは経済成長に寄与しました。今後、国家銀行はこのような政策をとることを望んでいます」
2016年に有利な前提を作り出す
2016年、国家銀行はインフレ率を5%以下に、経済成長率を6・7%の程度で維持するという目標の実施に向けて、通貨市場、金市場を管理するための政策に力を入れます。国家銀行のグェン・ティ・ホン( Nguyen Thi Hong) 副総裁は次のように語りました。
(テープ)
「今後、我々は市場の変動を見守った上で、インフレ率の抑制とマクロ経済の安定のためあらゆる手を尽くします。現在、ベトナムは世界各国と多くの自由貿易協定を締結しており、ベトナムの企業は世界経済へ積極的に参入しているので、我々は金融サービスを拡大させることに取り組みます。」
2015年に実施されてきた通貨政策がもたらす効果と経験は2016年の経済発展目標の実施に原動力を作り出すことでしょう。