難民問題 欧州の亀裂につながる

(VOVWORLD) - 難民問題のせいで、欧州の亀裂が深刻になるおそれがあります。

EU欧州連合加盟国は来週の首脳会議(サミット)で、難民問題を巡り連立政権存続の危機に直面するドイツ、反体制主義を掲げる政権が誕生したばかりのイタリアの両国に配慮した難民対策を打ち出す見通しです。しかし、難民問題のせいで、欧州の亀裂が深刻になるおそれがあります。

難民問題 欧州の亀裂につながる - ảnh 1 セルビアでの難民(写真:AFP・TTXVN)

難民問題 亀裂の要因

19日にベルリン郊外で会談を行ったドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領は、EU改革案のたたき台になるドイツ・フランス首脳共同声明を発表しました。難民・移民の流入やEUによる緊縮財政の推進で、反EU路線を取る右派ポピュリズム(大衆迎合主義)が伸長する中、新たに「欧州難民庁」を設置することなどで、難民流入抑制を目指す考えを表明しました。

難民問題を巡っては、反移民のポピュリズム政党による政権を率いるイタリアのコンテ首相がEU改革を求めるのに対し、東欧諸国はEUによる難民受け入れの割り当てを拒否しています。さらにオーストリアのクルツ首相は各国に「反難民」の政治勢力の結束を訴え、ドイツとフランスの路線に反対します。ドイツ・フランス首脳共同声明の内容で、反難民を訴える国々を説得できるかどうかの見通しは不透明です。

ドイツでも、難民問題についての論争が激しくなっています。メルケル首相は、連立を組む(CSU)キリスト教社会同盟から2週間の期限内にEUの新たな移民・難民対策を確立するよう求められています。CSUは、EU首脳会議の結果に満足できない場合は、他のEU加盟国で既に審査を受けた難民がドイツに移動することを拒否する命令を発動しようとしています。これに対し、メルケル氏は反対の立場です。

解決は難航

イタリアは今月、難民救助船の入港を拒否し、欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)は地中海で救助活動を行うよりも、アフリカで難民が渡航するのを阻止する取り組みを行うべきだと主張しました。そして、ハンガリー議会は20日、移民を支援するNGO非政府組織に対する処罰などを盛り込んだ一連の法案を賛成多数で可決しました。これらは、難民問題に対するEU加盟諸国間の大きい溝を示しています。

これにより、過去3年間ずっと浮き彫りになっている難民問題の解決策が今月のEU首脳会議で見出されることは期待薄となっています。

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