(VOVWORLD) - この協定はベトナムに多くのチャンスを与える一方、労働分野を始め、多くの分野での試練をもたらすと見られています。
既にお伝えしましたように、先ごろ、ベトナム国会は、CPTPP=包括的かつ先進的環太平洋経済連携協定を批准しました。この協定はベトナムに多くのチャンスを与える一方、労働分野を始め、多くの分野での試練をもたらすと見られています。
CPTPPは、世界最大規模の自由貿易地域を構築するもので、多くの労働者に雇用を創出するなど社会的メリットも大きいです。しかし、CPTPPは、加盟国の労働市場に大きな影響を与えるでしょう。
ベトナム人労働者へのチャンス
CPTPPは、輸出市場の拡大、GDPの成長などを促進させるもので、雇用創出に弾みをつけると見られています。労働傷病軍人社会事業省のレー・クアン次官は次のように語りました。
(テープ)
「CPTPPにより、毎年、2万人から3万人の労働者に雇用を創出することができると思います。また、それより重要なのは、農業やハイテクをはじめ幾つかの分野の労働構造を転換することと、労働効率を高めることです。」
試練解決に取り組む
しかし、CPTPPは、ベトナムの労働市場の改革を求めます。この協定は、加盟国にILO国際労働機関の8つの条約の批准を要請するからです。これまで、ベトナムはこれらの条約の中の5つを批准しています。また、これらの条約とCPTPPの規定に応えるため、ベトナムは国内法の改正・整備を行わなければなりません。先ほどのレー・クアン次官は次のように語りました。
(テープ)
「ベトナムは、労働者の権利保護をさらに促進させるため、法整備をさらに進めなければなりません。しかし、労働者の権利保護を口実に、社会秩序を破壊しようとする行動を抑えるような法律も必要です。」
CPTPPのメリットを活用するため、国の競争力を高めるのは重要な課題です。専門家によりますと、国の競争力向上を目指す最も効果的な対策は労働効率を高めることです。そのため、ベトナムの差し迫った課題は、人材育成を進め、質の高い労働力を充実させることです。レー・クアン次官は次のように語りました。
(テープ)
「労働者は、第4次産業革命の要求に応えなければなりません。そのため、人材育成の質をいっそう高めなければなりません。また、国際通例とベトナムが加盟している国際条約の要求に応えるため、ベトナムは労働分野においていろいろ改革しなければなりません。」
CPTPP=包括的かつ先進的環太平洋経済連携協定は、雇用創出、労働効率の向上、国の競争力向上に弾みをつける一方、労働環境や労働者の権利保護について多くの厳しい要求を求めています。そのため、そのメリットとデメリットを充分に認識した上で、適切な対策をとるのはこれからの課題です。