TPPがベトナムにもたらすチャンスと試練



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4日、ベトナムや日本、アメリカなど12か国が参加したTPP=環太平洋経済連携協定の署名式が協定文書の取りまとめ役を務めたニュージーランドのオークランドで行われました。ベトナムにとって、TPPを締結することは世界経済への参入事業における重要な節目となります。しかし、TPPの締結はベトナムにチャンスの他、多くの試練をもたらします。

TPPの締結により世界最大の自由貿易圏が誕生しました。この貿易圏は世界全体のGDP=国内総生産の4割近くを占め、8億人の人口を擁する12カ国を網羅しています。

紡績、縫製分野を始め、輸出の促進に弾みをつける

専門家はTPPの締結により、ベトナムのGDPは2020年に235億ドル、2025年に、335億ドル増加すると概算しました。これと同時に、2025年に、輸出額は680億ドル増えます。アメリカ、日本、カナダなどベトナムの重要な輸入国が輸入税率を0にするのはベトナムの輸出活動に弾みをつけます。繊維製品、履物、水産物などベトナムの主要な輸出品の輸出額が急増する見通しです。

また、TPPはこの協定の締結国の企業や大手経済グループからの投資誘致に有利な条件を作り出します。その中で、TPPの締結から最も大きな利益を受けるのは紡績縫製分野です。ベトナム紡績縫製協会のダン・フォン・ズン( Dang Phuong Dung) 理事長は次のように語りました。

(テープ)

「TPP締結は歴史的な意義があり、紡績縫製分野を含め、ベトナム企業全体に多くの利益をもたらします。最初の利益として挙げられるのは輸入税の引き下げです」

チャンスと共に試練がある

TPP締結国の輸出入総額は2300億ドルにのぼっています。これにより、ベトナムの取引総額は20%から30%増となる見通しです。TPPの利点を十分に活用できるように、ベトナムは政策と法律を改正する必要があります。

TPPは貿易、投資だけでなく、知的所有権、競争政策、国営企業、労働環境などの分野に高い基準や厳しい条件と条約を適用することから、ベトナムは経済構造の再編を加速させる必要があります。中央経済管理研究所のボ・チ・タイン( Vo Tri Thanh) 元副所長は次のように語りました。

(テープ)

「TPPの内容の大部分は締結国の国内の政策にかかわるものです。ベトナムがTPPから得られる利益はベトナムがどのように政策の改正や改革を行うかにまかせます。その改革は公的投資、国営企業、投資経営環境などに関する構造の再構築を含まなければなりません」

協定の実施の準備を急ぐ

TPPの影響に関して、ベトナム商工省のブ・フイ・ホアン大臣は「TPPは地域と国際社会におけるベトナムの地位向上に寄与する。TPPからの利益を十分に活用できるように、いまから、必要が条件を用意しなければならない」と明らかにし、次のように語りました。

(テープ)

「まず始めに、TPP協定の内容を企業に宣伝教育しなければなりません。第二は新しい法律の発布、及び、新しい条件に合致しない法律の改正など法律枠組みを完備させるということです。第三はその協定の実施です。商工省は関連各部門や機関と協力して、協定の実施に力を入れます。」

2018年後、TPPが実施される予定です。この協定が正式に締結されてから、ベトナムの政策策定者はこのよい絶好のチャンスを見逃さないように、前向きな行動に乗り出しています。

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