ADB、ベトナムの経済見込みを楽観視

(VOVWORLD) -ADB=アジア開発銀行が22日に公表した報告書「アジア経済見通し(ADO)」によりますと、4月末に発生した新型コロナウイルス感染症の第4波は、経営活動や労働市場などに被害をもたらしたため、2021年後半の経済は減速する可能性があります。しかし、ADBはベトナムの中長期的経済を楽観視しています。

これに関し、ADBの経済専門家のグエン・ミン・クオン氏は「新型コロナウイルス感染症の第4波が4月末に発生したため、ベトナム経済は減速しており、労働供給源の中断、産業生産量の減少、農業のバリューチェーンの途絶えにつながる」と予測しました。

また、ベトナムの大都市に対する社会的隔離措置の適用期間を延長するのは、労働力供給源を引き続き中断し、生産部門に多大な損害を与えているとしています。従って、2019年の産業の成長率と比べて、2021年における産業の成長率は5%に低下する見込みです。新型コロナウィルス感染症及び社会的隔離措置の適用延長の影響により、今年、投資と消費も低くなる見通しです。

こうした中、ADBは2021年の経済成長率を3.8%に、そして、インフレ率を2.8%に下方調整するとともに、2022年に経済成長が回復されると、インフレ率は3.5%の程度にとどまると予測しています。

ADBベトナム事務所のアンドリュー・ジェッフリース所長は「ベトナム経済は、第4波の影響を受けたものの、中長期的には発展する見込みである。中長期的な経済発展は、国内消費の回復、公共投資の強化、各国との自由貿易協定のメリットを活用する輸出活動の拡大などによるものである。そして、ベトナム企業は行政手続きによる障壁撤廃により、活動を拡大し、経済成長を支える」と分析しています。

また、ADBの専門家によりますと、EU=欧州連合、中国、アメリカなどをはじめベトナムの主要な海外市場の急速な回復は、ベトナムの繊維製品や、履物、電子製品、携帯電話などの輸出に役立つであろうとしています。

ADBの報告書は、「2021年と2022年におけるベトナムの成長見通しは新型コロナの影響を受けた人々に食料品や現金など必需品を適切に供給することによるものである」と指摘しています。

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