WHO事務局長 ベトナムがワクチン製造拠点になることを支持

(VOVWORLD) -  スイスを訪問していたグエン・スアン・フック国家主席一行は現地時間の11月28日、ジュネーブにあるWHO=世界保健機関の本部を訪問し、テドロス・アダノム・ゲブレイェスス事務局長と会談しました。
会談には、発展途上国への予防接種普及を推進する国際組織「GAVIアライアンス」のセス・バークレー事務局長、新型コロナウイルスワクチンの共同調達に関する国際的な枠組みである「コバックス・ファシリティ(COVAX Facility)」のアウレリア ・グエン代表も出席しました。

席上、ゲブレイェスス事務局長は、ベトナムがm-RNAワクチンの技術移転とワクチン製造拠点になることを支援するようにというベトナムの提案を支持しました。

新型コロナ禍でベトナムはWHOをはじめ、国際社会の支援と協力を得て、疫病対応と経済社会の回復・発展という二重の目標の実現に努力し、一定の成果を収めました。また、ベトナムはWHOから「コバックス・ファシリティ」を通じて優先的なワクチン供与を受け、接種キャンペーンを適宜に効果的かつ安全に行ってきました。

一方、フック国家主席は新型コロナ対策を安全かつ臨機応変な対応に移行し、効果的な疫病対応と経済社会回復・発展を推進することが狙いであると明らかにしました。

また、WHO、発展途上国への予防接種普及を推進する国際組織GAVIアライアンス、コバックス・ファシリティに対し、ベトナムの地元医療施設の能力と新型コロナウイルスワクチンの大量接種能力の向上を支援するよう要請し、コバックス・ファシリティに対し、ベトナム向けのワクチン供与を迅速に行い、中でも未成年者向けのワクチンを優先し、医療物資を供与していくよう提案しました。

さらに、フック主席はパートナーらに対し、ベトナムをm-RNAワクチンの技術移転と西太平洋地域のワクチン製造の拠点にする構想を支持するよう希望を表明するとともに、WHOに対し、ベトナムのナノゲン社(Nanogen)が開発中の新型コロナウイルスワクチン「ナノコバックス(Nanocovax)」について、WHOのグローバル臨床試験プログラムへの参加を支援することと、各国と連携し、国連総会決議に従って、12月27日の「感染症対策国際デー」を記念するよう要請しました。

これに対し、ゲブレイェスス事務局長は、ベトナムの新型コロナウイルス対策と経済社会回復・発展の成果を評価し、この成果は国際社会にとって貴重な経験となると強調しました。また、ベトナムを地域のワクチン生産地にするという構想を支持し、ナノコバックスをWHOのグローバル臨床試験プログラムに参加させるため、技術担当者らと協議すると表明しました。さらにベトナムの提出により、国連総会で採択された「感染症対策国際デー」に応え、メッセージを出すとともに、将来、発生する恐れがある地球レベルのパンデミック対応を目指す条約の策定について協議するため、特別会議を行うと明らかにし、ベトナムに対し、この構想を検討するよう提案しました。

そして、WHOやGAVIアライアンス、コバックス・ファシリティはワクチンへの公平なアクセスの確保とm-RNAワクチンの技術移転でベトナムと協力していく意向があるとしています。

なお、ベトナムの新型コロナワクチン調達に関して、GAVIアライアンスのバークレー事務局長とコバックス・ファシリティのアウレリア ・グエン代表は、可能な限り迅速に多くのワクチンを供給することを確認しました。

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