(VOVWORLD) - 今年初めからの6か月、ベトナムのコメの生産と輸出は著しい成長を見せています。
ベトナムのコメは伝統的な市場だけでなく、新しい市場にも輸出されており、世界各国で好評を得ています。政府は、コメを2030年までの国家商品開発プログラムの優先商品と見なしており、コメの生産と輸出、およびその価値の向上を図っています。
この6か月、ベトナムのコメの輸出量は427万トンで、前年同期とくらべ22.2%増となっています。また、世界の地政学的緊張のせいで食料価格が高騰しているため、ベトナムのコメの輸出額は23億ドルにのぼっており、前年同期と比べ、34.7%増ともなっています。これにより、コメは、輸出額が最も多い農産物の中で3位に立っています。今年に入り、ベトナムのコメは、中国やフィリピン、アフリカ諸国などの従来の輸入先のほか、韓国や台湾、EU欧州連合など新しい輸入先にも出荷されています。
こうした成果は、ベトナムのコメ産業の大きな変貌によるものです。長年、ベトナムは、コメの質の向上とブランドづくり、および輸出市場の開拓に大きな投資を行ってきました。その中で、栄養価値が高く無農薬の有機米(まい)の生産が進められてきました。ベトナムのコメ輸出大手ロックチョイグループの取締役会長フィン・バン・トン氏は次のように語りました。
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「弊社は、有機米の栽培に特化された田んぼを持っており、それぞれの田んぼに特定のコードをつけています。そのコードを通じて、「そのコメがいつ、どこで、だれによって作られたのか」を明らかにするというトレーサビリティが可能になります。弊社の稲作工程は多くの国に認められました。そのため、国内外のお客さんは安心して弊社のコメを買ってくださっています」
現在、ベトナムのコメは150以上の国と地域に輸出されていますが、商工省は、従来の輸入先を維持・拡大するとともに、新しい市場を開拓する方針です。また、ベトナムが各国と締結しているFTA自由貿易協定のメリットを最大限に活用し、コメの輸出をさらに強化していきます。そして、ベトナムのコメ輸出業者によるネットワークをつくり、世界市場におけるベトナムのコメの影響力を高めるとしています。