ベトナム、2026年以降、高齢化社会を迎える

(VOVWORLD) - 人口の高齢化はある地域の出生率の減少、あるいは平均寿命の増加により、高齢者が総人口に対して一定以上の割合で存在している状態のことを言います。

 ベトナムでは満60歳以上を高齢者と定義しています。GSO=統計総局によりますと、ベトナムでは急速に高齢化が進んでいます。満60歳の人口は1140万人で、高齢化率はおよそ12%です。日本やドイツ、イタリアと同様、ベトナムは高齢化社会に突入しつつあります。

12月26日のベトナム人口デーにあたり、24日、ハノイで、保健省は人口と発展に関するシンポジウムを行いました。統計総局の人口・労働統計局のブ・ティ・トゥ・トゥイ局長によりますと、ベトナム全国の人口は2026年までに1億人に達する見込みです。このうち、65歳以上の人口は10%を超え、2039年には15%以上に達すると予測されています。ベトナムの高齢化社会(高齢化率10.2%~19.9%)は2026年から2054年までの28年間続き、2055年から2069年までは65歳以上の人口が20%から29.9%未満に達する超高齢社会となります。

高齢化に伴い、出生率が減少していきます。2019年、発表された統計総局の筋によりますと、全国の平均出生率は2.09%で、2.1%という代替出生率を下回っています。これは長期的に現在の人口規模を維持できる人口増加率の減少に寄与する原因の一つとなるとしています。

国民経済大学の公共政策・管理研究院院長であるザン・タイン・ロン准教授は「ベトナムの現在の経済状況から見れば、高齢化は大きな試練となっている。その中で労働力不足や年金制度、社会手当などの問題が浮上する」と明らかにしました。

現在、ベトナムは中所得国であり、子や孫に依存して生活する高齢者が30%を占めています。高齢化社会に入る傍ら、出生率の減少により、高齢者の面倒を見ることが負担となると予測されています。

さらに、ベトナム人は寿命が長いものの、健在ではありません。ベトナムの平均寿命は74歳となり、タイやマレーシアに相当しますが、健康寿命に関する指数は下回っています。

実際、多くの国々は高齢社会となっていますが、高い経済成長を遂げています。ベトナムはこれらの経験を学び、高齢者の保護ケアや出生率の減少による影響の克服と高齢化のスピード制限が図られるでしょう。

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