ベトナムの最優先課題となった持続可能な開発のための気候変動への適応
(VOVWORLD) -14日午前、政府本部で、COP26=国連気候変動枠組条約第26回締約国会議で示されたベトナムの公約の履行を担当する国家指導委員会委員長を務めるファム・ミン・チン首相の主宰のもと、同委員会の第3回会議が行われました 。
この会議は国内外の世論の注目を集めました。
会議で、チン首相は、「COP26への参加直後、ベトナムはこの会議で示した公約の履行を目指し、国家指導委員会を設立した」と強調するとともに、「これまで、環境保護と気候変動への対応をはじめ、COP26におけるベトナムの公約の履行に対する幹部と人民の認識が一段と高まっている」と明らかにしました。
今回の会議の報告によりますと、COP26首脳級会合で、ベトナムは2050年をめどに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標を目指し努力することを公約しましたが、COP26の直後、自国の公約の実現に着手しました。これまで、ベトナムは2021~2030年国家電力開発計画及び2045年までのビジョン、COP26の結果を実施するための任務と解決策に関する計画、2050年までの気候変動対応に関わる国家戦略案、交通運輸省のグリーンエネルギーへの転換と二酸化炭素・メタンの排出量削減に関する行動プログラム、2021~2030年期のグリーン成長国家戦略、2030年までのメタン排出量削減の行動計画などを作成してきました。
COP26以来、ベトナムはエネルギー分野に携わる世界の大手企業の魅力的な投資先として浮上していると評されています。特に、幾つかの大手グループはベトナムでの洋上風力発電プロジェクトの展開を検討しています。これは積極的な兆しであり、ベトナムが自国の公約を履行するための原動力となっています。
COP26で示されたベトナムの公約の履行を担当する国家指導委員会の第3回会議で発言に立ったチン首相は、「気候変動がグローバルな問題であることから、適切なアプローチ方法をとる必要がある」と強調しました。チン首相によりますと、気候変動への適応や、温室効果ガスの排出量を実質ゼロにするという目標実施は全社会の最優先課題であり、政治システム全体と全国民の義務・任務・権利でもあります。当面の重要な任務は、エネルギー転換に関わる産業と関連技術を開発することや、関連設備の国内での生産を進めることなどです。これにより、「一石二鳥(いっせきにちょう)である」ということわざのように、一つの行動で二つの利益を得るようになるとしています。
実際、グリーンエネルギー市場は世界の大きな市場となっており、その市場への参入は多大な利益をもたらします。したがって、ベトナムはそのチャンスを活用する必要があります。そして、自らの努力と決意、国際社会の支援・協力などにより、ベトナムは自国の公約を履行しながらも、新しい産業を開発できるようになると期待されています。