COP26とアースの明るい未来に関する楽観的な兆し
(VOVWORLD) -10月31日から11月12日にかけてイギリスのグラスゴーで、COP26=国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議が開かれ、地球温暖化対策の強化に向けた議論が交わされています。
(写真:NASA) |
このままでは異常気象や海面上昇のリスクがさらに高まるため、19世紀後半からの世界の気温上昇を1.5度までに抑えられるよう、各国が協力できるかが焦点です。
COP26開幕に先立ちイギリスのボリス・ジョンソン首相は、COP26が「世界の真実の瞬間」になると述べました。ジョンソン首相は2週間にわたる気候変動会議を前に、各国首脳にこの会議の場を最大限生かすよう求めました。「我々がこの瞬間をものにするのか、それともつかみ損ねてしまうのかという疑問を、誰もが投げかけている」と明らかにしました。
そして、11月2日、100人を超える世界の首脳は、森林破壊と土地の劣化を2030年までに終了し、これらに逆行する施策に取り組むことを約束しました。イギリス政府が声明で明らかにしました。これらの国々は地球上の森林の85%を占めるとしています。協定の参加国にはカナダ、ロシア、ブラジル、コロンビア、インドネシア、コンゴ民主共和国などが名を連ねました。いずれの国も相当な面積の森林を有するとしています。協定は気候問題に対して重要な意味を持っています。森林が伐採されたり荒廃したりして大気中に放出される二酸化炭素は、世界の総量の11%前後を占めています。
首脳らはCOP26の森林に関する部会の中で、87億5000万ポンド(約1兆3600億円)の公的資金を森林の保護と復元に充てると約束するとしています。民間投資でも53億ポンドの資金を確保するといいました。
また、3日、国連の会議「COP26」の中でメタン削減の国際的な枠組みがアメリカとEU=ヨーロッパ連合の呼びかけで、発足し、アメリカを含む97の国と地域が参加しました。この枠組みでは二酸化炭素の20倍以上の温室効果があるとされるメタンを2030年までに2020年と比べて少なくとも30%削減する目標を掲げることで一致しました。
アメリカのバイデン大統領は、各国に取り組みへの参加を呼びかけたことについて「当初、参加を表明したのは9か国だったが、いまは80か国以上だ」と述べ、各国からの支持が集まっていると強調しました。そのうえで、アメリカとしてメタンの削減に向けた次の措置として、石油や天然ガスのパイプラインから漏れ出すメタンガスの監視を強化するほか、メタンの排出削減に取り組んだ農業者に対し助成金を出すことなどを盛り込んだ具体的な行動計画を示しました。
今回のCOP26で一致した多くの合意書を踏まえ、国際世論は、温室効果ガスの排出量を削減し、緑の惑星の明るい将来づくりを目指して、近いうちに具体的な公約と解決策が出されることを期待しています。