(VOVWORLD) - 先週、EU=欧州連合は、加盟諸国の利益を保護するための計画を発表しました。これはEU全体の利益を外国から守るための措置とみられています。
EUは17日、政府から多額の補助金を得ている外国企業による欧州企業買収の規制を強化する方針を明らかにしました。新型コロナウイルスによるパンデミックからの経済的打撃を受け、景気後退で経営難に陥った欧州企業に対する外国企業の投資攻勢や、買収への懸念が高まっていることから、規制強化が必要とされています。
欧州委員会の競争政策を担当するマルグレーテ・ベステアー執行副委員長は、規制に向けた計画を明らかにした白書を公表し、来年欧州委員会が法案を提案すると説明しました。 ベステアー氏は、「補助金を得た外国企業が欧州市場で競争をゆがめないようにする適切な手段が必要だ。EU企業への国庫補助金はすでに規制されている」と説明しました。
欧州委員会は、「外国の補助金がEU企業の買収を助長しているとみられる事例が多い」と指摘し、アルミニウム、鉄鋼、造船、自動車企業が外国企業の買収対象になりやすいとしています。計画によりますと、新規制では、外国企業が過剰な補助金を受け取っていると判断された場合、補償や他の措置を命じる権限を欧州の規制当局に与えます。
規制強化が実現すれば、EUは欧州で事業を展開しようとする外国企業を詳しく調査する新たな権限を持つことになります。また、欧州離脱後の英企業にも影響するとみられます。 欧州委員会は、過剰な補助金を得ている外国企業が経営難に陥った欧州企業を対象とする買収や株式の大量取得をすることを阻止する方針です。
また、そのような外国企業が公共事業の入札で欧州企業の提示額を大幅に下回る金額で落札しそうな場合に、EU当局が介入できるようにすることも目指します。
新たな規制は、加盟諸国の承認・批准を必要としますが、この数日、フランスや、ドイツ、ポーランド、イタリアなど複数の加盟国がこの問題を取り上げ、欧州委の方針に賛同していることから見れば、来年に発効される見通しであると予想されています。