アゼルバイジャンとアルメニアの衝突

(VOVWORLD) -  アゼルバイジャンと隣国アルメニアの国境付近で、両国の軍事衝突が再発し、双方はその原因について互いに相手を非難しています。

両国の係争地ナゴルノカラバフ自治州をめぐる戦闘では、双方が人口が集中する都市部の軍事施設への攻撃を強めていて、民間人が巻き込まれて死亡するなど、被害の拡大が懸念されています。

ナゴルノ・カラバフ地域北部のマダギズ地区は、戦略的に有利な高台にある住宅地で、この地域を掌握することで、現在アルメニア軍の管理下にあるアゼルバイジャンの一部の地域のルートを監視できることになります。これに関して、ニュースサイト・ガフガーズハガーイェグは、SNS上に発表されたある動画を論拠とし、「ナゴルノ・カラバフ地域の中心都市ハンケンディのアルメニア市民の一部が、アゼルバイジャン軍の攻撃への恐れから自宅を退去して、アルメニアの首都エレバンに向かっている」と報じました。

アゼルバイジャンのアリエフ大統領は4日、自国領のナゴルノカラバフをめぐる隣国アルメニアとの紛争終結に向けた交渉を拒否し、軍事作戦でナゴルノカラバフをアルメニアの支配から奪還する決意を表明した。アゼルバイジャン領でありながら多数派のアルメニア人が実効支配するナゴルノカラバフを巡っては、アルメニア人勢力が1991年に一方的に「共和国」樹立を宣言して以降、軍事衝突と紛争解決に向けた交渉が繰り返されていました。

アリエフ氏は「アゼルバイジャンは自分で問題を解決する」と述べ、軍事制圧に強い意欲を見せました。アリエフ氏は演説で、ロシア、米国、EU=欧州連合が求めている即時停戦は受け入れない姿勢を鮮明にしました。

アルメニア国防省の当局者は、アリエフ氏の演説の直後に、「(アルメニアの首都)エレバンが何らかのリスクにさらされているとは思わないが、どちらにしても戦闘のさなかにある」と述べました。戦闘は約3万人の死者が出た1990年代以降で最も激しく、ナゴルノカラバフ以外の地域にも広がりつつあります。アゼルバイジャンの輸出用の石油パイプラインを巡る懸念も高まっています。

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