イスラエルとUAEの歴史的合意

(VOVWORLD) - イスラエルとUAE=アラブ首長国連邦は13日、アメリカの仲介で、国交を正常化することに合意しました。長年、対立してきたイスラエルとUAEが合意に達した背景には、近年、中東地域で影響力を増しているイランに対抗するという共通の利益があったとみられています。

イスラエルは合意の一環で、ヨルダン川西岸の併合計画を一時的に「凍結」する方針です。UAEとイスラエルは、今後、相互に大使館を設立して外交官を派遣する予定です。アラブ諸国でイスラエルと国交を樹立するのは、エジプトとヨルダンに続き3カ国目となります。

イスラエルとUAEの国交の正常化は、中東に平和・安全保障を促進させるものとして、国際社会から好評を受けている一方、パレスチナや、イラン、トルコなどは強く反発しました。今回の合意について、トルコ外務省は14日、声明を発表し、「パレスチナからの強い反発はもっともだ。

歴史はUAEの偽善を決して忘れず、許さないだろう」と非難しています。トルコ政府は、アメリカのトランプ政権が打ち出したイスラエル寄りだと言われる中東和平案をめぐっても、パレスチナを支持する立場を鮮明にしていて、今回の動きがほかのアラブ諸国へと広がることに警戒感を示しています。

また、パレスチナは声明を発表し、「UAEの対応を強く拒否する。第三者はパレスチナ人を代表して口を出す権利がない」と猛反発しています。イスラエルとUAEは今後、投資や大使館の設置、それに安全保障などについて具体的な合意内容を交渉する予定です。両国の代表団が数週間以内に会談し、投資や安全保障、通信、エネルギー、直行便などの分野で関係を深める合意文書に署名します。

アナリストらは、「その両国が国交正常化に合意することはまさに『歴史的』であるが、それぞれにそう動かざるを得ないのっぴきならない事情があるとも言える」と分析しています。そして、確かに、中東の平和道のりは依然として困難があるとしています。

ご感想

他の情報