(VOVWORLD) - 先週の初め、トルコとギリシャは、東地中海でガス田の探査活動に関する警告を引き続き出しました。東地中海のガス田権益を巡りトルコとギリシャの緊張が高まっている問題に関し、EU=欧州連合は対トルコ制裁を検討していると明らかにしました。
ギリシャは、ガス田の探査が不法な活動であるとの見解を示しています。この問題についてEUは外相理事会を開催しました。議長を務めたボレル氏は記者会見で、トルコの船舶に対し欧州の港湾施設の利用禁止や供給停止などの制裁措置を導入する用意があると表明しました。トルコに対する経済制裁導入の可能性もあるとし、「トルコ経済が欧州経済と関連している部分に対する措置が考えられる」と述べました。
また、ギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相は、「ギリシャは大幅な緊張緩和の用意があるが、トルコが直ちに挑発行為をやめることが前提だ」と述べました。しかし、トルコのレジェプ・タイップ・エルドアン大統領は26日、協議の再開前にガス田探査を一時中断するといった前提条件には応じるつもりはないと断言しました。
東地中海の天然ガス資源と海域の権益をめぐってギリシャとトルコの対立が深まる中、ギリシャは、地中海でEUの同盟国と合同軍事演習を行い、一方のトルコも近隣海域で米海軍と合同演習を実施しました。こうした中、EU=ヨーロッパ連合の理事会の議長国を務めるドイツのマース外相が25日、ギリシャとトルコを相次いで訪れて両国の外相と会談し、緊張の緩和に向けて対話を促しました。
会談後の記者会見でマース外相は、「東地中海は非常に危険な状況にあり、小さな事件をきっかけに破滅的な衝突が起きかねない」と述べ、両国の軍の間で偶発的な衝突が起きることに強い懸念を示しました。
これに対して、双方の外相は対話には応じるとしながらも、ギリシャのデンディアス外相が「国益は守る」と強調したのに対し、トルコのチャウシュオール外相も「権利を放棄させようとするならためらわず必要な措置をとる」と述べ、ともに強硬な姿勢を崩していません。