(VOVWORLD) -アメリカ大統領選挙に向けた与党・民主党の全国党大会で党の大統領候補のハリス副大統領が演説を行い、共和党のトランプ氏が大統領に返り咲けば国際協調を軽視し、アメリカの安全が脅かされかねないとして自らへの支持を呼びかけました。
(写真:AA/TTXVN ) |
アメリカ・シカゴで開かれている民主党の全国党大会は22日、最終日を迎え、会場では党の大統領候補に指名されたハリス副大統領が演説を行いました。
今回の党大会で民主党は、バイデン大統領の撤退で急きょ候補者となったハリス氏のもとでの挙党態勢の構築に重点を置いてきました。
投票日が2か月余り後に迫る中、ハリス氏としては、およそ40分間の演説を通じて、トランプ氏との違いを鮮明にして幅広い有権者にアピールをはかった形です。
ハリス氏は約40分間の演説で「中間層の強化が大統領としての決定的な目標だ。それが中間層の家庭に生まれた私の思いだ」と強調しました。その上でトランプ氏を「自分自身や億万長者のために闘っている」「人工妊娠中絶の権利も奪おうとしている」などと批判しました。
外交分野では「中国との競争に打ち勝ち、世界における米国の指導力を強化する」「ウクライナと北大西洋条約機構(NATO)を強く支持する」などと、バイデン大統領(81)の国際協調路線を踏襲し、同盟国との関係を重視する姿勢を示しました。
AP通信は、ハリス氏が演説で政治的な分断を拒絶するよう呼び掛けたと報道しました。トランプ氏を再びホワイトハウスに戻すことの危険性も訴えたとしました。一方、保守系メディアのワシントン・エグザミナーは、パレスチナ系米国人に登壇の機会が与えられなかったと指摘しました。「この決定が11月(の本選)に大きな影響を及ぼすだろう」と述べ、バイデン政権のイスラエル支援に反対し、ガザ地区での即時停戦を求める人々の怒りを買ったと報じました。
米調査会社ニールセンは23日、大統領選に向けた民主党大会を締めくくった22日のハリス副大統領による指名受諾演説は、テレビ局などの平均視聴率を集計した結果、推定2890万人が視聴したと発表しました。ニュースサイト、ポリティコによりますと、7月に開かれた共和党大会でのトランプ前大統領の演説視聴者を約50万人上回りました。
しかし、ほとんどの専門家らによりますと、両候補は来る9月10日に生放送で演説を行うため、ドナルド・トランプ氏に対するカマラ・ハリス氏の優位性を確認することは以前として早すぎるだろうと評されています。./.