(VOVWORLD) - 先週も、新型コロナウイルスによるパンデミックは引き続き、複雑に推移し、予断できない状態です。そして、WHO=世界保健機関は悲観的な見方を示しています。
7月27日、スイス・ジュネーヴのWHO本部で記者会見に臨んだWHOのテドロス・アダノム・ゲブレイエスス事務局長は新型コロナウイルスの感染症COVID-19について、「これまでWHOが宣言した世界的な健康危機の中で最も深刻だ」と述べました。
また、「世界は新型ウイルスとの闘いで多大な努力をしてきたが、この先に長く苦しい道のりが待っている」と話しました。 今週改めてWHOの緊急委員会を開き、状況を検討するということです。
実際、COVID-19は今年1月以降、1600万人以上の患者が確認されており、死者は65万人を超えています。したがって、世界経済の悲観的な状況は続いています。新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に大きな傷痕を残しています。アメリカ商務省が発表した4~6月期の実質国内総生産速報値は、前期比年率換算で32.9%減少しました。
感染再拡大で7~9月期の回復力も疑問符がつきます。新型コロナ感染と経済停止という複合危機は出口が見えず、雇用支援策などを続けられるかが当面の焦点となります。傷痕は各国とも甚大です。JPモルガン・チェースは、4~6月期のユーロ圏の成長率を年率換算でマイナス40%と見込みます。感染拡大が止まらないインドも同40%減、ブラジルは同51%減と、過去に例のない景気悪化を余儀なくされたとみます。
IMF=国際通貨基金はコロナ危機による経済損失が20~21年の2年間で1300兆円に達すると試算しています。新型コロナウイルスによるパンデミックは世界を変えているといえます。こうした中、世界はこの疫病との闘いを続けながら、共存し方を学ぶ必要があるとの声が上がっています。