(VOVWORLD) -先週、IMF=国際通貨基金のゲオルギエワ専務理事は、世界経済のリセッション(景気後退)リスクは高まりつつあるとの認識を示し、世界経済の生産高が2026年までに4兆ドル(約580兆円)縮小する可能性があると述べました。
(写真:AFP/TTXVN) |
これはドイツ一国の国内総生産(GDP)に匹敵する「大幅後退」になると指摘しました。
同専務理事は、ワシントンのイベントでの講演テキストで、状況は「改善するより悪化する可能性が高い」と分析しました。ロシアとウクライナの軍事衝突と新型コロナウイルス禍を受けて不確実性はなお「極めて高い」とし、「さらなる経済的ショックが起こり得る」と警告しました。
IMFは現在、22年の世界経済成長率を3.2%、23年を2.9%と予測していますが、23年の成長予想が来週下方修正されるだろうと述べました。また同専務理事は金融当局者に対し、経済の安定化に向けインフレ抑制をやり遂げるよう呼び掛けるともに、金融引き締めが足りなくても行き過ぎても大きな代償を払うことになると警告しました。
現在、ロシアとウクライナの軍事衝突に起因するエネルギー供給不安やインフレ、景気悪化など複合的なリスクへの対処に加え、途上国や低所得国への影響拡大をいかに防ぐかも焦点となりそうです。そして、冬が近づき欧州で新型コロナウイルス再流行の兆しがみられます。WHO世界保健機関のデータを引用し先週のEU欧州連合域内の感染者が前週より8%増加し150万人に達したと報道しました。これは世界的に感染者数が減少傾向を維持しているのとは反対の傾向です。欧州では新型コロナウイルスによる入院患者も急増しました。
これらの兆しをみると、世界経済が景気後退の瀬戸際に入っていると見まれます。しかし、こういった危機は変化のための原動力にもなり、世界経済がさらに力強く発展することに寄与するでしょう。