(VOVWORLD) - 先週、新型コロナウィルス感染症が複雑に推移している中で、多くの国で、自然災害が発生し、深刻な人的物的被害をもたらしました。
中国各地で豪雨による洪水などの被害が拡大しています。中国メディアは7月4日、南西部の貴州、四川、湖南各省など26地区で今年に入り121人が死亡・行方不明となり、1938万人が被災したと伝えました。1万7000戸の家屋が倒壊し、経済損失は416億4000万元(約6300億円)に上っているということです。中国政府当局者は、北部でも今後、降水量が増え、洪水が起きる可能性があるとみて警戒を強めています。
これに先立ち、中国の応急管理部は、「中国南部で発生した洪水の被災者が6月23日現在で計1122万人に上る」と発表しました。被災者のうち57万1000人が緊急避難し、21万3000人が緊急生活援助を必要としています。
倒壊した家屋は約9300棟、一部損壊は約17万1000棟、冠水・浸水被害を受けた農地面積は86万1000ヘクタールで、直接的な経済損失は241億元(約3675億円)に上りました。長江流域が増水期に入り、国家増水・干魃対策総指揮部は対策強化を進めています。
日本も深刻な被害を受けています。熊本県と鹿児島県で、4日未明、猛烈な雨が降り、気象庁は同日午前4時50分に大雨特別警報を発表しました。熊本県では、津奈木町で土砂の中から2人が心肺停止の状態で見つかったほか、芦北町で約10人と連絡が取れていません。両県の計11市町村が計約20万3200人に避難指示を出しました。
一方、インド当局は5日、東部ビハール州の落雷による死者が10日間で147人に上っていると明らかにしました。落雷が増加している主要因は、気候変動による気温上昇だといいます。当局によると、インドで最も貧しい州、ビハール州では3月末以降、215人が落雷で死亡しました。
他方、ミャンマー北部カチン州にある翡翠鉱山で2日、大規模な地滑りが発生し、多数の労働者らが生き埋めになりました。消防当局によりますと、これまでに162人の死亡が確認されましたが、地元メディアは、当時200人ほどが現場にいたと伝えていて、犠牲者はさらに増えるおそれがあります。
現地ではここのところ大雨が続いていて、地盤が緩んでいたことが地滑りの原因とみられています。この地域は翡翠の産地として知られていて、2015年にも土砂崩れで100人以上が死亡する事故が発生しています。
新型コロナとともに、自然災害は各国を脅かしています。したがって、各国のの経済回復事業は多くの困難に直面しています。