(VOVWORLD) - バイデン大統領が就任後初めて対面で会う首脳に菅義偉首相を選んだのは、ワシントンがインド太平洋地域向けた外交政策を最優先としていることを示していると評されています。
先週17日、ホワイトハウスで、米国訪問中の日本の菅義偉首相とバイデン大統領は首脳会談を行いました。会談後、両政府は合意事項を盛り込んだ共同声明を発表しました。その名称は「新たな時代における日米グローバル・パートナーシップ」ですが、日本の菅首相は「日米同盟の羅針盤となるものだ」とし、その意義を強調しました。
首脳会談では、両首脳は、新たな日米競争力・強靱性(CoRe=コア)パートナーシップを発表し、気候変動や、新型コロナウイルス対策での連携も確認しました。これにより、迫り来る課題に立ち向かう力を高めていくとしています。双方は新型コロナウイルスには注意を払っていますが、対面での会談は、日米関係に重きを置いていることを示しています。
このうち、ハイテク分野の日米の技術協力をめぐって、バイデン大統領は「こうした技術は専制主義ではなく、民主主義の規範によって管理されている。5Gネットワークの推進や半導体などのサプライチェーンの強化、人工知能をはじめとするさまざまな分野での共同研究など、幅広く協力していく」と述べました。
共同声明で、両国は、日米同盟が揺るぎないものだとして、自由で開かれたインド太平洋を推進するとともに、航行や上空飛行の自由を含む海洋における共通の規範を推進するとしています。
そして、ルールに基づく国際秩序に合致しない行動に対する懸念を共有し、海上でのあらゆる一方的な現状変更の試みに反対するとともに、不法な海洋権益に関する主張や活動への反対を表明しています。
安全保障をめぐり、日本が日米同盟および地域の安全保障を一層強化するため、みずからの防衛力を強化する方針を示したのに対し、アメリカは、核を含むあらゆる種類の能力を用いた日本防衛への揺るぎない支持を再確認し、沖縄県の尖閣諸島が日米安全保障条約第5条の適用対象であると再確認しています。