(VOVWORLD) -先週2日、 朝鮮民主主義人民共和国は、断続的に少なくとも23発のミサイルを海上に向けて発射しました。
(写真Yonhap/TTXVN) |
朝鮮民主主義人民共和国の1日のミサイル発射数としては過去最多でした。弾道ミサイル1発は韓国が海上の軍事境界線と位置付ける北方限界線(NLL)を越え、韓国領海に近い日本海の公海上に落下しました。韓国軍も対抗措置としてNLL北側に戦闘機からミサイル3発を発射しました。南北がNLLを越えてミサイルを撃つのは初めてでした。
朝鮮民主主義人民共和国のミサイル発射は今年29回目でした。南北の緊張が激化しています。ミサイルはいずれも日本の排他的経済水域外に落下したとみられます。
朝鮮民主主義人民共和国による一連のミサイル発射は、アメリカと韓国が過去最大規模の合同航空訓練を行う最中に実施されました。朝鮮民主主義人民共和国政府は合同訓練を「攻撃的かつ挑発的」なものだと強く批判していました。朝鮮半島の緊張が高まる中、朝鮮民主主義人民共和国は今年に入り、記録的な数のミサイルを発射していました。
10月には弾道ミサイル1発が日本の上空を通過し、Jアラートが発動されました。ミサイルが日本の上空を通過して太平洋に落下するのは2017年以来でした。国際社会から厳しい制裁を受けながらも、朝鮮民主主義人民共和国は2006年から2017年の間に核実験を6回繰り返してきました。現在は、5年ぶり7回目の核実験に向けて、準備を進めているものと考えられていました。
朝鮮民主主義人民共和国が相次いで弾道ミサイルを発射する中、アメリカと韓国の国防相会談が3日開かれ、朝鮮民主主義人民共和国による緊張を高める行動を強く非難することなどで一致しました。アメリカのオースティン国防長官と韓国のイ・ジョンソプ国防相は3日、アメリカ国防総省で会談し、弾道ミサイルを相次いで発射している北朝鮮への対応について意見を交わしました。
アメリカ国防総省の発表によりますと、米韓両国は相次ぐ弾道ミサイルの発射など、朝鮮民主主義人民共和国による緊張を高める行動を強く非難することで一致したほか、オースティン長官は韓国に対してアメリカの核戦力などで同盟国を守る「拡大抑止」を提供すると改めて表明したということです。
また、G7=主要7か国の外相会合に出席するため、ドイツを訪れている日本の林外務大臣は、4日、EUの外相にあたるボレル上級代表と会談し、朝鮮民主主義人民共和国をめぐり、ICBM=大陸間弾道ミサイル級の可能性があるものも含む、弾道ミサイルの相次ぐ発射をはじめ、核や拉致問題への対応でも連携していくことを確認しました。
朝鮮民主主義人民共和国による相次ぐ弾道ミサイルの発射を受けて、国連の安全保障理事会で対応を協議する緊急会合が開かれました。各国からは地域を脅かす危険な行為だと朝鮮民主主義人民共和国を非難する意見が相次ぎましたが、今回も安保理として一致した対応はとれませんでした。