気候変動との闘いにおける前向きな兆

(VOVWORLD) -先週、アメリカのバイデン政権は、トランプ前大統領が離脱した地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」に復帰しました。
気候変動との闘いにおける前向きな兆 - ảnh 1(写真:AFP)

バイデン政権は国内の温室効果ガスの削減に取り組むとともに、途上国の排出削減を支援し、4月に開催する温室効果ガスの主要な排出国のサミットなどを通じて各国にも削減に向けた協力を求めて、国際社会での指導力の回復につなげたい考えです。

その上で再生可能エネルギーへの投資を拡大するとともに100日以内に国際会議を開き、各国への働きかけを強める考えを明らかにしていて、今回の署名により国内外に新政権の姿勢を示すとともにトランプ前政権からの転換を印象づける狙いもあるとみられます。バイデン新大統領は2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにすることを掲げています。
アメリカではトランプ前大統領がパリ協定からの離脱を決めた後も企業や自治体が「われわれはまだパリ協定にいる」というグループを立ち上げて温室効果ガスの削減を進めてきました。2050年という長期の目標だけでなく、今後10年の取り組みが重要で、バイデン新大統領が指導力を発揮して、アメリカも含め、各国の対策の強化につなげられるかが、課題となります。

アメリカの協定への復帰について国連のグテーレス事務総長は18日、会見で、「国際社会による気候変動対策が強化される」と述べて歓迎しました。さらに、パリ協定が国連への提出を義務づけている国別の温室効果ガスの削減目標について、アメリカが各国の模範となるような削減目標を提示することに期待を示しました。
そのうえで、「アメリカは世界最大の経済大国として経済力と技術力の面で極めて重要な役割を担い、COP26の成功の可能性を変えるだろう」と述べて、ことし11月にイギリスで開催される予定の地球温暖化対策の国際会議、COP26の成功に向けてアメリカが主導的な役割を果たすことが必要だという考えを強調しました。

パリ協定は、2020年以降の温暖化対策の新しい枠組みとして、2015年のCOP21で採択され、アメリカと中国を含む195カ国が署名して2016年に発効しました。これによりますと、オバマ政権下にあったアメリカは、GHG排出量を2025年までに2005年比で26~28%減少させることを約束しており、パリ協定では、この削減目標の下方修正はできない仕組みになっています。しかし、トランプ政権下にあったアメリカは、パリ協定から離脱しました。

ジョー・バイデン新大統領がアメリカを気候変動に関する「パリ協定」に復帰したことは、気候変動との闘いにおけるアメリカの主導的役割を見せる前向きな兆とみられます。

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