(VOVWORLD) -先週、アメリカのバイデン大統領と中国の習近平国家主席は、オンライン形式で会談しました。
(写真:ロイター) |
両首脳は両国関係の未来に関わる戦略的な問題について交流したほか、それぞれ関心を寄せる重要問題に触れました。
米中の対立が深まる中、激化する競争が衝突に発展するのを回避するため、両首脳は対話を継続するべきだとの考えで一致しました。
米政府高官によりますと、バイデン氏は米中間の競争が衝突に転換するのを避けるため、計算違いや誤解を防ぐ「ガードレール(防護柵)」の構築を訴えました。高官は「この会談は、競争を責任ある形で管理する取り組みに関するもので、特定の成果物に合意することではない」と指摘しました。共同声明は予定されていないといいました。
米中両政府は10日、英グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、共同宣言を発表しました。首脳会談でも、気候変動など協力可能な国境を越える問題について協議しました。
会談の冒頭で、バイデン氏は人権と安全保障について率直に話し合うことを望んでいると表明しました。「米中の指導者として、両国間の競争が意図的かどうかにかかわらず、衝突に発展しないよう図る責任が私たちにはある」とし、「純粋な」競争であるべきだと述べました。
習主席は「世界の2大経済国そして国連安全保障理事会の常任理事国として、中米は意思疎通と協力を強化する必要がある」と話しました。
中国当局者によりますと、習主席はバイデン氏に、通商問題を政治問題にしないことは重要と伝えました。また、米当局者によりますと、両首脳は世界のエネルギー供給に対処する措置も話し合いました。来年2月の北京五輪への米政府要人派遣問題は、話題に上らなかったといいます。
両国が最も激しく対立している台湾問題をめぐっては、首脳会談の前さばきとして行われたブリンケン米国務長官と中国の王毅外相の会談でも、お互いが主張を展開しました。習氏は会談で「気候変動や新型コロナウイルスの流行など地球的課題に対応するには、健全で安定した中米関係が必要だ」と強調しました。「大統領と協力して共通認識を形成し、中米関係を前向きな発展に導いていきたい」と語りました。
注目の世界2大国の首脳会談では、ベトナム東部海域(いわゆる南シナ海)やサイバー問題など、両国が対立する分野、気候変動や新型コロナ対策といった協力可能な分野について協議しました。具体的な成果はなかったものの、冷え込んだ関係の修復する機会となり、双方とも会談は率直で実りあるものだったと評されています。