(VOVWORLD) - 先週、米大統領選は、民主党のジョー・バイデン候補が共和党の現職ドナルド・トランプ候補を破って勝利しました。
上院選(定数100)では、与党共和党が事前予想を上回る奮闘を見せ、野党民主党が目標とする6年ぶりの過半数奪取は困難な情勢です。下院(定数435)では民主党が過半数を維持するものの、議席を減らす見通し。民主党のペロシ下院議長は声明で「厳しい選挙だった」と認めました。
人事承認や条約批准の権限を持つ上院の改選前勢力は、共和党53に対して民主党47でした。上院では採決で50対50となった際、副大統領が最後の1票を投じました。このため、民主党が大統領選の結果にかかわらず上院を制するには、少なくとも4議席を上積みする必要があります。
CNNが7日、バイデン氏の勝利が確実な情勢になったと報道しました。ほぼ同時刻にAP通信など主要メディアも当選確実と速報しました。これまで253人を押さえていたバイデン氏が、同州に割り当てられた20人を加えて273人となりました。トランプ氏の獲得選挙人は213人でした。バイデン氏は、選挙人の過半数獲得を目前にした6日夜に演説し、「政治の目的は終わりのない戦争ではない」と語りました。
一方、トランプ陣営は複数の州で、バイデン氏の過半数獲得を阻止するための訴訟を提起しました。ペンシルベニア州での集計について最高裁で争う姿勢も示していました。バイデン氏は7日夜、地元デラウェア州ウィルミントンで演説し、「この国の人々は、明確で説得力のある勝利をもたらしてくれた」と勝利を宣言しました。
そして、「私は分断するのではなく団結させる大統領になると誓います。赤と青に分かれた州ではなく、団結した州(合衆国)を見る大統領に、国民全員の信頼を勝ち取るために全身全霊で努力する大統領に」と語りました。
女性として初の、またアフリカ系・アジア系としても初の副大統領に就任することが確実となったカマラ・ハリス上院議員(55)も登壇し、「みなさんは希望、結束、良識、科学、そしてそう、真実を選びました」、「みなさんは次期アメリカ大統領にジョー・バイデンを選んだんです」と演説しました。
米大統領選では、恒例のように、候補者が敗北を受け入れた後に終了しますが、トランプ大統領はツイッターに「多数の票が秘密裏に廃棄されたと広く報じられている」と書き込み、不正が行われたとの見方を示しました。
集計の結果、民主党のバイデン前副大統領の選挙人獲得数が過半数に達した場合に、「不正があった」として敗北受け入れを拒む布石とみられていました。こうした中で、米大統領選2020は特別な史上最多となった選挙だけでなく、終了を予測できづらい激戦となるでしょう。