(VOVWORLD) -フランスのマクロン大統領とイギリスのスナク首相は10日の会談で、イギリスで政治問題化している不法移民対策や、ロシアの軍事衝突が続くウクライナへの軍事支援を巡って協力を強化することで合意しました。
(写真:Getty/TTXVN) |
インド太平洋地域への空母派遣でも連携していくとしています。
両国の定期首脳会談は5年ぶりの再開で、安全保障協力や不法移民対策の強化などを通じた外交関係の再構築を強調しています。イギリスとフランスの間で外相や国防相など主要閣僚を含めた定期首脳会談は、イギリスのEU=ヨーロッパ連合からの離脱に伴う漁業権交渉や、新型コロナワクチンの供給などをめぐる対立から、2018年を最後に開かれていませんでした。
会談で双方は、ロシアの軍事衝突を受けているウクライナの兵士を共同で訓練することや、インド太平洋地域への合同部隊や空母の派遣、それにイギリスに入国する目的でドーバー海峡をボートで渡ろうとする不法移民の取締まりの強化などで一致しました。また核エネルギーを巡る協力を前進させることで合意したほか、ミサイルや防空システムの開発を含む英仏の軍事力の相互運用性の強化についても確約しました。
移民問題に関しては、イギリスが不法移民阻止に向けフランスに対し3年間で約4億8000万ポンド(5億7700万ドル)を提供する一方、フランスは海岸警備の強化を図るといいます。
会談後の共同記者会見で、両首脳はともに「新たな出発」ということばを使い、外交関係の再構築を強調しました。マクロン大統領が「私たちには共通の歴史や価値観がある。イギリスが再びEUに関わろうとしていることを歓迎する」と述べたのに対し、スナク首相は「あなたと仕事ができて幸運に思う。ともに未来を築いていくことにとても興奮している」と応じ、最後にフランス語で「友よ、ありがとう」と呼びかけました。
アナリストらによりますと、今回の英仏首脳会談の再開は両国関係だけでなく、国際問題の解決にも役立つと分析しています。