COVID19、トランプ政権への直接な影響

(VOVWORLD) - トランプ大統領の新型コロナウイルスへの感染が明らかになったのに前後して、トランプ大統領の側近などのあいだで、感染が相次いで判明しています。

新型コロナウイルスに感染し、一時入院していたアメリカのトランプ大統領は10日、退院した後、初めてイベントに参加し、支持者の前で演説しました。トランプ氏はホワイトハウスで開かれたイベントで数百人を前に、マスクを着けずにおよそ15分間演説しました。

11月の大統領選挙は「最も重要な選挙だ」として投票を呼び掛けるなど、選挙戦に向け本格的に活動を再開した形です。他人に感染させるリスクが懸念されていましたが、トランプ氏の専属医師は声明を出し、症状が改善しウイルスを感染させる恐れはなくなったと発表しました。また、トランプ氏は12日からフロリダ、ペンシルベニア、アイオワと3日続けて激戦州へ行き、選挙集会を開く予定です。

トランプ大統領の新型コロナウイルスへの感染が明らかになったのに前後して、トランプ大統領の側近などのあいだで、感染が相次いで判明しています。ホワイトハウスではまず、大統領の顧問を務める最側近のヒックス氏の陽性が1日に判明しました。
さらに、2人の共和党の上院議員や保守系の大学の学長、それに、コンウェイ元大統領顧問の感染が判明し、この4人はいずれも先月26日にトランプ大統領が連邦最高裁判事の指名を発表したホワイトハウスでの記者会見に参加していました。
また、トランプ大統領の周辺では、再選に向けた選挙対策本部のステピエン本部長や、共和党全国委員会のマクダニエル委員長も陽性が確認され、トランプ陣営のなかで感染が拡大している可能性も指摘されています。
一方、大統領の感染を受けて大統領と接触した可能性がある政権幹部らは相次いで検査を受けていますが、これまでのところ、ペンス副大統領、ポンペイオ国務長官、バー司法長官、それに、ホワイトハウスの高官を務めるトランプ大統領の娘のイバンカ氏と夫のクシュナー氏については検査の結果、陰性でした。

先ごろ、ポンペイオ国務長官は、日本や韓国、モンゴルの3カ国への訪問を予定していましたが、日本しか訪問しませんでした。さらに、アメリカ上院のミッチ・マコーネル上院共和党院内総務は10月3日、新型コロナウイルス検査実施のために議会を2週間休会となることを明らかにしました。

 CPD=米大統領候補討論会委員会は9日、トランプ大統領と民主党のバイデン前副大統領の間で予定されていた第2回討論会を中止すると発表しました。CPDはトランプ氏の新型コロナウイルス感染を受けオンライン形式での開催に切り替えたものの、トランプ氏が参加を拒否していました。

CPDはトランプ氏の陽性が判明したことを受け、フロリダ州マイアミで予定されていた討論会をオンライン形式で開催すると発表。医療顧問の支持も得ていました。ただ、トランプ氏はこの案を直ちに拒否し、オンライン討論会には参加しない方針を示しました。

これに対し、バイデン陣営の広報はオンライン形式に賛同しつつも、トランプ氏が参加しないとみられることから、バイデン氏が質問を受け付ける機会を別に設けると表明しました。

アナリストらによりますと、新型コロナウィルスはアメリカ政権幹部らに悪影響を与えるだけでなく、その予防対策における弱点を示しながら、政治や社会の混乱をもたらしているとしています。

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