(VOVWORLD) - EUが政治経済社会の面において多くの試練に直面している背景の中で、先週、EU=欧州連合のフォンデアライエン欧州委員長は16日の演説で、EU外交の迅速な意思決定に向け、新たな改革案を近く公表すると表明しました。
フォン・デア・ライエン委員長は、まずEU域内での新型コロナウイルス感染症の拡大に触れ、保健衛生の分野でのさらなる強固な同盟が必要だと訴えました。そのために、欧州委が提案した保健衛生上の危機への対処を目的とするプログラム「EU・フォー・ヘルス」予算の増額を求めました。7月の特別欧州理事会(EU首脳会議)での次期中期予算計画と復興基金に関する政治合意により、このプログラムへの大幅な予算削減が決定されたことから、あらためてこのプログラムへの支持を欧州議会に求めたかたちです。
さらに、保健衛生分野の権限の多くが各加盟国にあり、EUとしての公衆衛生上の危機への対応が限定的にならざるを得ない現状を踏まえ、中長期的なEU改革の一環として保健衛生の権限に関する問題を議論していくべきだとしました。
また、フォンデアライエン氏はコロナ禍を機に「経済改革を断行する」と述べました。景気回復には企業が資金を確保しやすいよう流動性の高い資本市場が必要と主張しました。「資本市場同盟」と「銀行同盟」を完成させれば、ユーロの国際的地位の向上にもつながるとみます。同氏は「ユーロへの信頼はかつてなく強い」と力説しました。
現在、EUは、40カ国と結び、新型コロナウィルス感染症を研究・試験・開発するためにおよそ160億ユーロを集めました。こうしたことで、新型コロナの制圧やEUの問題解決を楽観視することができるでしょう。