ロントン祭りに行われた儀式(写真：TTXVN)

毎年、旧暦 1 月 8 日に、ハザン省クアンビン県スアンザン村に住むタイ族がロントン祭りを行います。テイ族の言語で、ロントンというのは田畑を耕すという意味で、テイ族の文化的アイデンティティが染み込んだ祭りとされています。

現場の音 

これまで、ロントン祭りは村にある最も広くて、土壌が最もよい畑で開催されることが多かったのですがが、現在、スアンザン村のチー集落の中心地で開かれます。新春の天気はまだ寒いですが、地元の人々と大勢の観光客が祭りに訪れました。

スアンザン村人民委員会のノン・クアン・チャット副委員長によりますと、この祭りは、一年の農業生産の幕開けを告げる古代からの農業儀式である。これは、テイ族の人々が天と地、最初の畑を開拓し、農業生産を案内してくれた先祖に感謝の気持ちを表すチャンスでもあります。チャット副委員長は次のように語りました。

（テープ）

「私たちはコミュニティ観光を発展させるため、このチー村で、ロントン祭りを開催することにしました。ロントン祭りは、よい天候を祈ります」

ロントン祭りには儀式と祭りの 2 つの部分から構成されます。儀式の主な部分は、よい天候、人々の健康、木々の生い茂り、豊作をもたらす神様にお供え物を捧げることです。スアンザン村の村人全員はともに、この儀式のお供え物を準備しました。スアンザン村、チー集落に住むホアン・ティ・トゥさんとホアン・バン・トアンさんは次のように語りました。

（テープ）

「毎年、私たちはロントン祭りのお供え物を周到に準備します。お供え物には、おこわやゆでた鶏肉、地酒、数種類のお菓子などが含まれます。私たちたちはいずれもテイ族の民族衣装を身にまとって、祭りに参加しました。この儀式が朝5時から行われることから、私たちは前日から供え物を用意しなければなりません」

（テープ）

「スアンザン村には９つの村落があり、それぞれの村落は自分でお供え物を準備します。すべての村落はともに神様を供養し、豊作と平穏な生活を祈ります」

現場の音

式典では、村々から９つのお供え物が祭壇に捧げられました。儀式の主宰者が村民によって選ばれたテイ族出身の祈祷師です。祈祷師は、祭壇の前に立ち、村民に幸せで豊かな新年を祝福してくださった天や地と神々に感謝の祈りを捧げました。その後、村の長老や村人が次々と線香を手向け、天地に礼拝しました。先ほどのスアンザン村人民委員会のノン・クアン・チャット副委員長はさらに次のように語りました。

（テープ）                            

「祈祷師は地元の習慣や伝統に精通した人でなければなりません。祈祷師は午前6時から8時の間で最も良い時間帯とされる時、礼拝の儀式を行います」

天と地の神様への礼拝の儀式の後、地元の人々に幸運と祝福をもたらすために「一年のはじめに田畑を耕す」という儀式が行われます。この儀式を行う人は、村に名声があり、家族が円満の人でなければなりません。チー集落に住む先ほどのホアン・バン・トアンさんは次のように語りました。

（テープ）

「ロントン祭りは毎年開かれますが、開催されるとなれば、だれもが楽しみます。新年に、私たちは再会し、互いに一年の健康と幸福を祈ります」

現場の音 

田畑を耕す儀式　(写真：TTXVN)

田畑を耕す儀式後、闘鶏やブランコ、綱引きなど、様々な民間遊戯が行われ、特に、コン（Con）というボール投げがあります。この民間遊戯に、若い男女が集まって、愛を表す色とりどりのボールを投げあいます。ですから、ロントン祭りは若い男女のデートの機会であると言っても過言ではありません。

初春にロントン祭りを行うことは、地元の人々が集まったり、再会したりするだけでなく、スアンクアン村をはじめ、ハザン省の各少数民族の伝統文化のPRに寄与することでしょう。