(VOVWORLD) - プロジェクト「ウキヨ・キラキラ光る世界」のはじめてのコンサートでは、18の楽曲が披露されましたが、アニメ『四月は君の嘘』で登場した曲の演奏形態とは異なる編曲がなされました。
4月21日、ハノイ市内の「わかもの劇場」で、日本の有名な漫画「四月は君の嘘」のアニメ化作品の中で使用された楽曲をカバーするコンサートが行われました。このコンサートは、「エイト・ザ・シアタ-(8 the Theatre)」という劇場が実施中の「ウキヨ・キラキラ光る世界」という音楽プロジェクトのはじめてのコンサートです。
(テープ)現場の音
お聴きいただいているのはコンサートで披露された楽曲の一つです。『四月は君の嘘』は、2012年度マンガ大賞のノミネートを受け、2013年、講談社漫画賞の少年部門で受賞した作品です。2017年6月時点でシリーズ累計発行部数は500万部を突破しています。アニメ化作品は2014年秋から2015年春にかけて放送され、2016年に実写映画化されました。これは中学生のピアニストとヴァイオリニストが互いの才能に共鳴しあい、成長する姿を描いた作品です。
プロジェクト「ウキヨ・キラキラ光る世界」のはじめてのコンサートでは、18の楽曲が披露されましたが、アニメ『四月は君の嘘』で登場した曲の演奏形態とは異なる編曲がなされました。プロジェクト「ウキヨ・キラキラ光る世界」の担当者ハイフォンさんは次のように話しました。
(テープ)
「アニメ『四月は君の嘘』で登場した曲を少し編曲しました。コンサートのオーケストラがアニメの演奏形態に応えられないからです。そのため、全ての曲を編曲しなければなりませんでした。今回のコンサートで演奏された曲の中で、5つの曲は大満足でした。中でも、「七色シンフォニー」はメロディーが鮮やかなので、一番好きです。コンサートで披露された曲はそのアニメの音楽と内容を十分に物語ってくれたものと思います」
日本アニメは世界各国で人気ですが、ベトナムも例外ではありません。ほとんどの国においてアニメーション作品の多くは「子供向け」であり、ストーリーが単純で、普通は一話完結です。一方で日本のアニメには、複雑な伏線が引かれ、読み解く楽しみのある作品や、人間の内面や登場人物が成長する過程をていねいに描き出した作品が多いため、大人からも愛されています。
プロジェクト「ウキヨ・キラキラ光る世界」は「Wibu」と呼ばれる日本のアニメ愛好者向けのものです。Wibuとは、日本文化、特にアニメや漫画を熱狂的に愛するいわゆる「オタク」のことで、Wibuのための情報サイトやコミュニティーもあり、コスプレイベントなども開催されています。コンサートのプロデューサー グエン・クイン・チーさんは次のように語りました
(テープ)
「Wibuは日本文化、特にアニメや漫画を熱狂的に愛する人たちで、アニメ『四月は君の嘘』のシーンを観ながら、編曲された曲を聴くことで、そのアニメの世界の中で生き、そして、そのアニメをはじめて観たときの感覚を思い出すことでしょう。コンサートには、アニメで使われた衣服を着て自分の好きなキャラクターになった聴衆もいました」
アニメ『四月は君の嘘』で登場した音楽の多くはクラシック音楽です。そのため、プロジェクト「ウキヨ・キラキラ光る世界」はクラシック音楽に対する若者の興味を芽生えさせることができるものと期待されています。コンサートに参加したヴァイオリニスト、ミー・フォンさんと、ピアニスト、ホア・ティ・フォンさんの話です。
(テープ
「アニメで使われる音楽を演奏するのは今回がはじめてです。クラシック音楽を使うこのアニメはクラシック音楽を若者にとって身近な存在にしてくれる、大きな意義を持っていると思います。アニメにはショパンのバラード曲をはじめ、クラシック音楽の代表的な曲がたくさんあるからです。今回のコンサートでは、そのアニメのシーンと、登場した音楽を楽しみ、甘い気分となってリラックスできるでしょう」
「私はアニメ『四月は君の嘘』が大好きです。アニメで登場した曲を演奏すると、気持ちが高ぶり、素晴らしいひと時を過ごすことができました。私はコンサートで最初の曲を演奏した後、登場人物を描く「友人A・Piano Solo」という曲を演奏しました。今回のコンサートを通じて、聴衆はもう一度そのアニメの中に生きることができたと思います」
プロジェクト「ウキヨ・キラキラ光る世界」の最初のコンサートのチケットが販売されてからわずか数時間で売れ切れとなりました。これは、『四月は君の嘘』をはじめ、日本のアニメと漫画はベトナムの若者の間でとても人気が高まっていることを示しています。コンサートの聴衆の話です。
(テープ)
「私は長年、『四月は君の嘘』のファンです。中学校の時にはじめて観ましたが、2、3回繰り返して観ました。このアニメの音楽は素晴らしいです。そのため、このコンサートを非常に待ち望んでいました」
「私は、『四月は君の嘘』の主要なキャラクター「かをり」のコスプレをしてコンサートに行きました。コンサートでは私の想像通り、素晴らしい音楽が披露されました」
(テープ)コンサートの音
4月21日にハノイで行われたこのコンサートは、5月18日と19日の両日、ホーチミン市でも催され、ホーチミン市の若者をも引き付けることが期待されています。