ベトナム 映画を通じて観光促進

(VOVWORLD) - ベトナムは観光を経済のリーディング産業と見なしており、美しい景色や豊かな文化、独特な風土、輝かしい歴史など、国の強みを活用し観光促進を図っています。特に近年、映画を通じてベトナムの強みを世界に知ってもらうための取り組みが広がっています。
 ベトナム 映画を通じて観光促進 - ảnh 11992年公開のフランス映画「インドシナ」

ベトナムは、1992年公開のフランス映画「インドシナ」や、2002年のアメリカ映画「愛の落日」、2006年のフランス・カナダ合作映画「中国の植物学者の娘たち」などの撮影場所として選ばれました。2017年に米レジェンダリー・エンターテインメント社が製作した「キングコング:髑髏島の巨神(Kong: Skull Island)」以降、ベトナムは映画のロケ地として世界の注目を集めています。

『キングコング:髑髏島の巨神』はアメリカの映画シリーズ『キングコング』のリブート作品であり、シリーズ8作目です。世界全体で5億6,620万ドルの興行収入を記録したこの映画はベトナム、オーストラリア、ハワイ、と3大陸にまたがって撮影が行われ、映像を継ぎ目なく編集することで、これまで誰も見たことのない髑髏島の世界観を作り出すことに成功しました。映画『キングコング:髑髏島の巨神』はベトナムで初めて大規模かつ広範囲に撮影が行われたハリウッド映画となりました。映画の撮影には、北中部地方クアンビン省や、紅河デルタ地方ニンビン省、東北部地方クアンニン省が選ばれました。

 ベトナム 映画を通じて観光促進 - ảnh 2ロバーツ 監督

髑髏島の神秘的な世界を求めJordan Vogt-Roberts (ジョーダン・ボート=ロバーツ) 監督やスタッフは、世界中を探し、北ベトナムで陶酔するほど美しくエキゾチックな場所を発見しました。ロバーツ監督は、「シンボルとしてだけでなく、真実味のある神話をスクリーン上に描き出すとき、その神秘の存在であるコングが手で触れられるほどリアルで、まさに息づいているかのような環境に置かれていることが重要だ。グリーンバックのステージではなく、俳優たちが実際の環境に溶け込めるように撮影することがとても重要だった。観客にスクリーンを見上げて「本当にコングが存在しているんだ!」と実感してもらいたかった」と語りました。ロバーツ監督の話です。

(テープ)

「映画を観た観客には、コンピューターによって作られたシーンではないことがわかりました。こんな印象的なシーンはどこだときっと知りたがったに違いありません。映画を観た後、私と同様、映画の美しい景色を満喫したいと思うはずです。その美しい景色の中には生活や文化、人などベトナムの素晴らしい要素が隠れています。映画を観た多くの人はベトナムを旅行したいと思い、彼らがベトナムに来れば、「Oh my God、ここは本当に美しいのだ」と言ってしまうでしょう。そのほか、美味しい料理とか、完璧な宿泊施設、親切な人と出会ったりして、ベトナムを満喫するのです」

このように語ったロバーツ監督はまた、「これほど美しい国だと知る人は少ない。最高に美しい場所。ベトナムの文化と人々が大好きになった。景色はまさに圧巻だよ」と述べました。

ロバーツ監督が世界中を探し回って見つけ出したというベトナムの景色に対し、主演のトム・ヒドルストンは「実在する場所での撮影にこだわった。見たこともない、別世界のように見えるはず」と絶賛しました。

 ベトナム 映画を通じて観光促進 - ảnh 3「キングコング:髑髏島の巨神」

「キングコング:髑髏島の巨神」が世界中で大ヒットしたことにより、ロケ地であるベトナムは大きな注目を集めました。ロケ地の一つとして知られる北部ニンビン省のチャンアン生態観光区では「髑髏島」が復元され、無料で公開されています。この5年間、「キングコング:髑髏島の巨神」のロケ地を見たいとニンビン省などゆかりの地を訪れた国内外の観光客は数十万人に上ると推測されています。

世界の有名な旅行プラットフォーラムや大手旅行会社の調査によりますと、映画をきっかけに旅行に行くことにしたと答えた人の数は7%を占めることがわかりました。有名な映画のロケ地の多くは有名な観光スポットとなりました。この成功例から、ベトナムは映画を利用して国土や文化、人々を紹介し、観光振興を図っています。

ベトナムの各地の中でも、中部トゥアティエンフエ省は多くの映画のロケ地として知られています。同省の省都フエ市はベトナム最後の王朝の都として栄えた古都であり、一部の歴史的建造物がユネスコの世界遺産に、また宮廷芸能であるニャーニャックが無形文化遺産に登録されています。同省文化スポーツ局のファン・タイン・ハイ局長は次のように語りました。

(テープ)

「フエ市が多くの映画のロケ地として選ばれたことにより、同市のPRにつながっていることがわかりました。これは、フエ市が多くの外国人観光客を魅了する有名な観光地となっていることからも明らかです。例として、フエ市で撮影されたフランス映画「インドシナ」が公開された後、フエ市を訪れるフランス人観光客が急増しています。この傾向は短期的ではなく、長期的かつ着実なものです。また、今日のインターネット時代においては、近年、フエ市で撮影された多くの映画に関する美しいシーンがインターネットを介して紹介されていて、フエ市のPRに役立っています」

一方、近年、ベトナムの映画会社は、映画がベトナムのイメージアップにつながることを認識しており、ロケ地の選定を厳しく行うようになりました。映画プロデューサー マイ・トゥ・フィエンさんは次のように語りました。(テープ)

「映画の企画段階で、ロケ地を探すことはとても重要な任務です。ストーリーに合致することはもちろんですが、ベトナムの景色が映画に入るようロケ地を選びます。ベトナムの景色は素晴らしいからです。そして、ベトナムの文化も魅力的です。映画が外国で上映された後、観客からは『ベトナムがそんな美しい国だと知らなかった』とか、『ベトナムに行って映画のロケ地を見てみたい』とか、いろいろなコメントをもらいました。その意味で、映画はベトナムのPRに大きく貢献していると言えるでしょう」

ベトナムが観光をリーディング産業と見なす背景の中で、映画は観光開発だけでなく、ベトナムのイメージアップにも役立つことが期待されています。

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