(VOVWORLD) - 「より多くの人がベトナム文化の美しさを知る手助けをしたい」と思うタオさんは疫病が収束した後、全国各地はもちろん、海外でもベトナムのミニチュア作品のPRを進めようとしています。
この間、ベトナム南部メコンデルタのカントー市ニンキエウ区に住むファム・トゥイ・タイン・タオさんが粘土で手掛けた食品のミニチュア作品がミニチュアに興味を持つ人々の間で人気があります。カントー市が新型コロナの影響で社会的隔離措置を取っていた頃も、彼女は全国各地から多くの注文を受けていました。
ファム・トゥイ・タイン・タオさん |
1994年にホーチミン市で生まれたタオさんは大学時代、幼児教育を専攻しましたが、ある日、インターネットでミニチュアを見た時からミニチュアに興味を持つようになり、2017年にミニチュア食品で起業することにしました。タオさんの話です。
(テープ)
「インターネットでミニチュアを見たことをきっかけに、調べることにしました。調べれば調べるほど、情熱の炎が燃え上がりました。そういうミニチュアを自分の手で作って自分の手元に置きたいからです。最初はイチゴやオレンジ、ザボン、バナナなど簡単なミニチュアを作ってみましたが、数時間もかかりました。今は数分あればそんなミニチュアを作れるようになりました。」
タオさんが作ったミニチュア作品の大きさは本物の12分の1ほどのが一般的です。ミニチュアを作るために、「粘土を練る」、「形を作る」、「色付け」、「釉薬をかける」などの工程が必要ですが、一番難しいのは色付けです。本物と全く同じ色にしなければならないからです。また、サイズはかなり小さいので、良い作品ができるかどうかはアーティストの手際の他、集中力と忍耐力を維持することによるものです。目を細めて集中し、魚のスープが入ったお椀に赤い唐辛子を添えているタオさんの姿を見てミニチュアのアーティストの手際や集中力がわかるでしょう。お椀の大きさは、硬貨よりかろうじて大きい程度なのです。タオさんがこうしたミニチュア粘土細工を仕上げるために多くの時間を注いでおり、数日かかる作品もあれば、数週かかる作品もあります。
「田舎の食事」をテーマにしたミニチュア作品 |
タオさんは「ベトナム料理にはそれぞれ、独特の美しさがあるので、食品のミニチュアを作ることにした。これらのミニチュアは、人々がその美しさ見る助けになればいいなと思う」と話しました。また、「ミニチュアにはそれぞれ難しい箇所がある。例えば、南部の人々がよく食べている魚のスープには魚の他、唐辛子やオクラ、モヤシ、パイナップルなどもあるので、非常に小さなモヤシを一本一本添えなければならない」としています。
タオさんのアシスタントであるレ・リ・バオさん(24歳)もこの仕事はあらゆる段階で細心の注意を払う必要があるとし、「タオさんはいつも心を込めてミニチュアを作る。いくら小さいものでも完璧さを求めている」と話しました。バオさんの話です。
(テープ)
「この仕事はタオに精神的な喜びを与えています。タオと私にとってお客さんの満足した姿を見ることが何よりです。この4年間、タオと一緒に歩んでいますが、これから、ベトナム料理を始め、ベトナムの文化をモチーフにしたミニチュアを作って世界の人々に紹介したいと思います。」
タオさんのミニチュア作品は99%本物と類似していると評され、全国各地から注文を受けています。彼女のファンページをフォローする人は数千人にのぼっています。カントー市に住むホアン・ティ・カ・トゥさんは次のように話しました。
(テープ)
「私は飾り物として、ベトナム料理をモチーフにしたミニチュア作品をよく買っています。本物と変わらないタオさんのミニチュアを見ると、生き生きした気分になりますよ。」
タオさんのミニチュア作品はサイズとその細かさ、難しさによって販売価格が異なりますが、最低は100円、最高は約8千円に上ります。タオさんは今後、食品そのものだけでなく、果物の露店や、自転車に乗ってベトナム風のサンドイッチ「バインミー」を売る自動の店をモチーフにした作品にも手を広げるつもりです。そして、食品関連のミニチュアの他、ベトナムの日常生活での馴染みのモノをモチーフにした作品の制作にも創意工夫を凝らしようと思っています。タオさんの話です。
(テープ)
「食品のミニチュアのほか、表彰状や宝くじをモチーフにした作品の制作を考えています。これらの作品は人形生活に興味を持つ人によく買い求められるそうですから。これはお客さんのニーズはもちろん、私の情熱にも応えるものです。」
「より多くの人がベトナム文化の美しさを知る手助けをしたい」と思うタオさんは疫病が収束した後、全国各地はもちろん、海外でもベトナムのミニチュア作品のPRを進めようとしています。