(VOVWORLD) -この集落の住民の大部分はこの伝統的工芸に従事したことがありますが、現在、この伝統的工芸の職人の数が減少しています。
北部バクニン省トアンタイン県ソンホ村ドンケー集落は昔から粘土で作られた人間や動物の制作でよく知られています。この集落の住民の大部分はこの伝統的工芸に従事したことがありますが、現在、この伝統的工芸の職人の数が減少しています。今日のこの時間はこうした土像の伝統的職業についてお伝えします。
土でできた像(土像)が各寺院や神社で供養するお供え物として使われるだけでなく、子供のおもちゃにもあります。特に、これらの像は毎年の中秋節と旧正月テトなどの時期にしか売られていないということです。
この伝統的職業がいつ生まれたのかはっきりわかりませんが、かならず百年以上のことです。昔から、中秋節に供養するお供え物の中には果物、月餅の他、必ず粘土でできた動物の像があります。
粘土でできたこれらの像は焼かれていないですが、長持ちします。これらの像は簡素でありますが、職人は創意工夫をこらして、土をこねらなければなりません。職人はこの土像に白、黄色、赤、黒など簡単な色を塗ります。土像を作る職人フン・ディン・ザップさんは次のように語りました。
(テープ)
「土でできた像は簡単な形をしていますが、手間がかかりますよ。原料となる粘土を探したり、こねて形を作ったり、色を塗ったりするなど様々な工程を経なければなりません。材料となる粘土は地面からおよそ3メートルの深さにあるものでなければなりません。その粘土を日光で干してから、保管して、中秋節になる頃、使います。そして、形つくってから、また、日光で干し、接着剤と塗料を塗ります。」
中秋節に供養する土の像には5種類の像があります。それらは平和への願いを表す鳩、海をシンボルとする亀、世代の繋がりを示す老人と子供、人々が道徳と礼儀正しく生活を送れるように教育するための仏の像です。
現在、近代的なおもちゃ市場が急速に発展していることから、土でできた人間や動物の像を作る職業が忘れられる恐れがあります。これらの像を使うチャンスが少なくなる一方、この仕事の収入が少ないからです。
職人フン・ディン・ザップ |
しかし、バクニン省に住む職人フン・ディン・ザップはこの伝統的職業の維持、保存に力を入れています。ザップさんの孫であるフン・カイン・リンちゃんは次のように語りました。
(テープ)
「土で作る像という祖父の職業をやってみたいです。祖父が像を作るところをよく見ています。将来、我が家の伝統的職業を維持するため、この職業をします」
ザップさんの家族は伝統的な土像を作るほか、市場の需要に応えるため、人形、恐竜、自動車、飛行機など新しい像も作っています。毎年、夏休みになると子供を含め、多くの人々がザップさんの工房を訪れ、土像を作る伝統的職業を体験します。
ザップさんがこの伝統的職業の実演のため、よく伝統的職業の見本市や展示会に招かれています。先ほどのザップさんは次のように語りました。
(テープ)
「我が家の伝統的職業を継承して、小さい頃から土をこねた像を作ってきました。私まで、3世代がこの職業に従事しています。現在、私の息子もこの職業をしています。今後、より多くの人々がこの伝統的職業を知ってもらうことを望んでいます」
土でできた像を作る職業は収入が高くないため、失われてしまう恐れがあります。しかし、この伝統的職業は伝統的文化の一部であることから、この職業村の人々はこの職業の維持、保存に取り組んでいます。
以上、土でできた像の伝統的職業の維持、保存についてお伝えしました。では、今日のこの時間はこのへんで失礼します。