すべての子供たちへ 教育へのアクセスを保障

(VOVWORLD) -この政策は公立の幼稚園から高校までの2300万人余りの生徒を対象に適用されます。授業料の免除には、国家予算から年間約30兆ドン、約12億6000万米ドルの支出が必要となります。

ベトナム共産党政治局は2025年2月28日に開いた会議で、公立の幼稚園から高校までの授業料について、2025~2026年度以降、全額免除、無償化することを決定しました。この政策は、人材の開発と社会福祉の向上における党と国家の戦略的ビジョンを示す重要な意義を持つとされます。
教育訓練省の統計によりますと、この政策は公立の幼稚園から高校までの2300万人余りの生徒を対象に適用されます。授業料の免除には、国家予算から年間約30兆ドン、約12億6000万米ドルの支出が必要となります。

すべての子供たちに教育へのアクセスを保障

 ユニセフ国連児童基金が発表したベトナムの2022年の教育レポートによりますと、ベトナムでは、一定割合の子供たちが依然として特定の課程を修了していません。その主な原因は、生徒の家庭が経済的な困窮状態に陥っているということです。ですので、授業料の無償化は、この状況を改善し、すべての生徒に平等な学習機会を与えることに役立つと期待されます。特に、この政策は、都市部に比べて就学率が著しく低い僻地や低所得世帯の子供たちにとって有益なものです。

統計によりますと、クメール族、モン族など人口100万人未満の少数民族居住地における未就学率は、キン族、ホア族、テイ族、タイ族、ムオン族、ヌン族の居住地と比較して4〜7倍高いことが挙げられています。ランソン省ディンラップ県キエンモック村にある少数民族向けの半寄宿制小学校のノン・ティ・ブイ校長は次のように明らかにしました。

(テープ)

「授業料無償化は教育事業に大きく貢献する方針だと私は考えます。多くの困難な状況に陥っている地域にとって、この政策は極めて有効かつ適切であり、生徒に十分な就学を可能とします。生徒の保護者は経済的負担を軽減できるからです。特にランソン省の僻地、国境地域にとって、この政策は非常に意義深いです」

授業料が無償化されることで、保護者は、子供たちのために、学習用具、補習授業、スキルアップ研修などにさらなる多くのリソースを投じるようになり、子供たちの学習の質を高め、全人的な発達と成長を促進することができます。

山間部バックカン省チョモイ県に住むノン・ヴァン・ホアンさんは、次のように語っています。
(テープ)
「地元の住民たちは、主に植林や、農作業で収入を得ています。それにより、子供たち3人の通学を賄っています。党と政府による授業料の無償化政策は、山岳地帯の住民にとって非常にありがたいものです。これにより、住民は経済的な負担が軽減され、子供たちの教育に より良い環境を提供できるようになるからです」

進歩的かつ持続可能な社会の構築に貢献

公立の幼稚園から高校までの授業料の無償化政策は、生徒とその家族に直接的な利益をもたらすだけでなく、進歩的で持続可能な社会の構築にも貢献すると評価されています。というのは、この政策は、家庭の経済状況にかかわらず、すべての学生が質の高い教育を受ける機会を得られる平等な教育を目指すからです。授業料の無償化は、特に困難な地域における就学率の向上に貢献するとともに、全国的な学力水準の底上げを図ります。これにより、地域間の教育格差の解消に寄与します。長期的には、高度な人材育成にもつながる重要な意味を持っています。

授業料無償化の方針は、公共政策と社会保障制度の卓越性を示すとともに、党と国家への国民の信頼醸成を強化するものです。これはまた、教育と不平等の削減に関する国連の持続可能な開発目標を実現するための重要な一歩でもあります。

学習社会の構築、および授業料無償化を含む戦略的方策は、国の未来世代の学習に対するベトナムの党と国家の責任を示すものです。この政策から、党と国家が常に、教育に関心を払い、教育を最優先課題と位置づけていることがわかります。

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