この訪問は、インドネシアのプラボウォ・スビアント大統領、カオ・キム・ホンASEAN事務総長、シンガポール共和国首相、シンガポールのローレンス・ウォン首相の招きに応じて行われるものです。この訪問はベトナムとインドネシア、シンガポール、およびASEANとの関係発展に新たな節目を記すものとなることが期待されています。

トー・ラム書記長夫妻（写真：TTXVN）

今回の訪問は、ベトナム共産党の書記長としてインドネシアを訪れるのは8年ぶり、シンガポールを訪れるのは１３年ぶりのもので、ASEAN事務局を訪問するのは初めてであることから歴史的な意義がある訪問です。ASEAN加盟国であるインドネシアとシンガポールはいずれもベトナムの戦略的なパートナーであり、ベトナムと信頼度が高い政治関係と良好な協力関係を結んでいます。

新たな協力の展望

インドネシアは1955年に、東南アジアでベトナムと初めて外交関係を樹立した国です。この70年、特に2013年に戦略的パートナーシップが確立されて以来、両国の協力はますます幅広く発展してきました。インドネシアは、ASEANにおけるベトナムの第二の大きな貿易パートナーであり、ベトナムはインドネシアにとってASEANにおける第四の貿易パートナーです。両国の取引総額は、この10年間で4倍になり、2024年に167億ドルに達しました。

両国は、ASEANの枠組みとベトナム東部海域（南シナ海）問題など地域および国際問題に関して、共通の立場を共有しています。トー・ラム党書記長の今回のインドネシア訪問について、ベトナム駐在インドネシア大使館のデニー・アブディ大使は次のように語りました。

（テープ）

「2017年以降初めてとなるベトナム共産党書記長の今回のインドネシア訪問は、両国から特別な関心を集めています。今回の訪問にあたり、両国は、貿易、投資、ビジネスに関する協力を中心に、ハイレベル会議を開催する予定です。さらに重要なのは、両国が両国間関係を「包括的な戦略的パートナーシップ」に格上げすることを期待しています。現在の発展状況を踏まえ、両国は両国関係をさらに強化する準備が整っており、2045年までに高所得国となるという共通のビジョンを実現するために貢献することを目指しています」

一方、ベトナムとシンガポールとの関係は、1973年に正式に外交関係を樹立してからこの50年、特に2013年に戦略的パートナーシップが確立されてからこの10年に、強力に発展しています。両国は、経済を結びつける閣僚会議など、二国間協力の枠組みを効果的に展開しています。シンガポールはベトナムの最も重要な経済パートナーの一つです。シンガポールは、ASEANにおけるベトナムの最大の投資国であり、世界における2番目の大きな投資国です。ベトナムの18の省や市で設立されたシンガポール・ベトナム工業団地は187億ドルの投資を引き付け、30万人のベトナム労働者に雇用を提供していることは、両国間の経済協力の効果を裏付けるものです。2024年の両国間の取引総額は103億ドルを超えました。

ベトナム駐在インドネシア大使館のデニー・アブディ大使

ASEANにおけるベトナム外交政策を確立

トー・ラム書記長により今回の訪問は、ベトナムとインドネシア、およびシンガポールとの関係だけでなく、ベトナムの外交政策におけるASEANの重要性も示しています。ASEANのカオ・キムホン事務総長はこの30年間におけるASEANの重要な発展に対するベトナムの貢献について、次のように語りました。

（テープ） 

「ベトナムはASEAN議長国としての役割、ASEAN事務局における任務、または対話パートナーとの調整役など様々な任務を担っていましたが、常に積極的なメンバーです。国際フォーラムでも、ベトナムはASEAN各国の利益を推進してきました。ベトナムは、常にASEANの積極的な加盟国で、ASEANの発展に大きく貢献しています」

このような背景のもとで、トー・ラム書記長の今回の訪問は、ベトナムとインドネシア、シンガポール、ASEANとの新たな協力の空間を切り開くことが期待されています。この訪問は、ベトナムとこの両国との政治的信頼を強化し、既存の協力分野を深めるだけでなく、科学技術、デジタル経済、グリーン経済、イノベーションなど新たな有望分野における協力拡大を目指しています。

ASEANの加盟国として、ベトナムとインドネシア、シンガポールとの二国間関係を強化し、地域および国際問題における共通の立場を共有することは、ASEANの団結、自力自強、発展に向けた努力に貢献することでしょう。