(VOVWORLD) - ボー・バン・トゥオン国家主席夫妻の招きに応え、ドイツのフランク=ヴァルター・シュタインマイヤー大統領夫妻は23日と24日の両日、ベトナムの国賓訪問を行います。
ドイツ大統領夫妻 写真提供:ドイツ大使館 |
これは今後、両国の戦略的パートナーシップの強化に弾みをつけると期待されています。ドイツ大統領のベトナム訪問は17年ぶりとなり、同国のオラフ・ショルツ首相の2022年11月のベトナム公式訪問からわずか1年あまりです。また、これは2024年における欧州の元首による初めてのベトナム訪問ともなります。
戦略的パートナーシップ 効果的かつ包括的に展開
ベトナムとドイツは1975年9月23日、外交関係を樹立しました。2011年10月、メルケル首相のベトナム訪問にあたり、両国の戦略的パートナーシップが樹立されました。それ以来、両国の友好協力関係は広範に効果的かつ包括的に発展しています。新型コロナウイルス感染症流行の中でも両国の協力が促進され、政治・外交分野での関係も強化されています。
貿易・投資分野に関し、ドイツはEU=欧州連合の中でベトナムの1番目のパートナーである一方、ベトナムは東南アジアでドイツの最大の貿易相手国となっています。2022年、両国の貿易額は126億ドルに達し、2021年と比べ、12%増となりました。また、ドイツはベトナムに投資を行っている143の国と地域の中で18位に立っており、投資額はおよそ27億ドルに達しています。
教育について、現在、ドイツに留学しているベトナム人学生は7千人を超えました。また、ベトナムで設立されたベトナム・ドイツ大学はドイツ、中でもヘッセン州の政府のサポートにより、効果的に活動しており、ベトナムの質の高い人材の育成に貢献しています。さらに、ドイツに在住しているベトナム人およそ20万人はドイツの社会経済開発、および両国関係に大いに貢献しています。
ベトナムとドイツはいずれも国際社会の積極的かつ責任感あるメンバーであり、利益や関心事を共有しています。両国は国連やG20、ASEM=アジア欧州会議、G7など国際的な場において互いに支持し合って、連携しています。2022年、G7の議長国としてドイツはG7とベトナムとの公正なエネルギー移行パートナーシップの樹立を促進しました。また、先ごろ、ドイツは国連人権理事会に再選され、ベトナムも2023年~2025年期の国連人権理事会に当選しました。これは両国の協力と連携の強化に役立つとしています。
多くの協力チャンスを切り開く
ベトナムとドイツの戦略的パートナーシップが順調に発展している中でシュタインマイヤー大統領のベトナム訪問は多くの協力のチャンスをもたらすと期待されています。ベトナムの経済回復は地域と世界の平均スピードよりも速く、両国の投資貿易は大きな伸びを見せていることから、ベトナムはドイツの産業界と投資家にとって魅力的な市場になると予測されています。一方、教育や職業訓練、熟練した労働者の供給、医薬、農産物加工、製造などは協力が拡大する可能性のある分野ですが、エネルギーは際立った協力分野となっています。ベトナムは太陽光や長い海岸線、風力に恵まれ、近代的な技術を有するドイツのエネルギー企業とクリーンエネルギーの開発、とりわけ風力発電や太陽光発電、水素の製造で協力することができます。ドイツのグリーン技術やデジタル技術の力強い開発、近代的な製造技術、ベトナムのバランスの取れた開発政策と環境保護政策、およびCOP26=国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議で示されたベトナムの排出量削減に関する公約は両国にとって投資協力や技術移転を促進するための有利な条件となります。
ドイツのシュタインマイヤー大統領のベトナム訪問は両国の戦略的パートナーシップの促進や相互理解、政治的信頼の強化に貢献し、両国の協力に新たな原動力を作り出すものでしょう。