ベトナム・ブラジル 包括的なパートナーシップ強化

(VOVWORLD) - ファム・ミン・チン首相はブラジルのルーラ・ダ・シルバ大統領の招きに応え、23日から26日にかけて、ブラジル公式訪問を行っています。この訪問は両国の包括的なパートナーシップの深化に貢献するものと期待されています。
2007年のノン・ドック・マイン共産党書記長のブラジル訪問以来、チン首相はブラジルを訪問するベトナムのはじめての首脳となります。

ブラジル 南米におけるベトナムの重要なパートナー

ベトナムとブラジルは1989年に外交関係を樹立しました。1994年に首都ハノイ駐在ブラジル大使館、そして2000年に、首都ブラジリア駐在ベトナム大使館が開設されました。2007年5月、両国の包括的なパートナーシップが樹立されています。この34年間、両国関係は平和・協力・発展に関する価値の共有を基礎に日増しに強化されています。各レベルの訪問団の往来が促進され、国防、農業、科学技術、教育訓練、文化までの分野で協力が強化されてきました。また、両国は多国間の場で互いに支持し合い、国際問題についてスタンスを共有しています。

ブラジルはベトナムにとって南米における重要な経済パートナーとなっています。面積が世界で 5 番目に大きく、2億1千万人を超える人口を抱えるブラジルはベトナム企業にとって有望な市場となり、ラテンアメリカ市場に進出するための玄関口となっています。ベトナムはブラジルに水産物や動物性脂肪、コメ、鉄鋼、陶器、電子部品、履物、繊維製品などを輸出する一方、ブラジルから亜鉛やプラスチック、肉、食品製造副産物、ゴム、織り糸などを輸入しています。2022年、両国の貿易額はおよそ68億ドルを突破しました。現在、ブラジルはベトナムに3億8300万ドル相当の投資プロジェクト6件を行っていますが、今後、ブラジルを含む南米南部共同市場メルコスール加盟諸国はベトナムとの投資貿易協力を強化する計画があることから両国の協力の潜在力が大きくなるものとしています。

多くの分野で協力チャンスが大きい

2024年、外交関係樹立35周年を迎えるにあたり、両国は政治協議や合同委員会をはじめとする協力メカニズムの発揮、各地方、省庁、企業の連携の拡大、貿易投資促進、草の根外交、友好組織間の協力の強化に取り組んでいます。

チン首相の訪問は、双方関係の強化に貢献するだけでなく、両国に気候変動対応や新エネルギーの開発、デジタルトランスフォーメーション、食糧安全保障、国際統合、地域の安全保障、持続可能な開発などの分野での協力の機会をもたらすとしています。また、この訪問にあたり、行われるベトナム・ブラジルビジネスフォーラムを通じて、両国企業は投資貿易協力の促進や、それぞれの国の社会経済開発、および国際統合への貢献が図られるでしょう。

チン首相のブラジル公式訪問は両国の政治的信頼や、包括的な協力関係を強化し、政治、外交、経済、貿易・投資、文化、教育、観光を中心とする協力関係を深化させていることが狙いです。2024年の両国の外交関係樹立35周年を控え、行われるこの訪問は両国の包括的なパートナーシップを新たな発展段階に押し上げることに役立つものと期待されています。

 

ご感想

他の情報